特種用途自動車

特種用途自動車（8ナンバー車）の解説

特種用途自動車とは、道路運送車両法施行規則に基づいた国土交通省の通達で定義される自動車の分類です。主に特殊な用途に使用される車両を指し、一般的に「8ナンバー車」と呼ばれています。特殊[[自動車]]と混同されることがありますが、明確に区別されています。

定義と分類番号

特種用途自動車は、その主たる使用目的が特種であり、かつ、定められた構造や装置の要件をすべて満たす自動車です。 ナンバープレートの分類番号が「8」で始まることが特徴です。運転には、車両の大きさや積載量に応じて、普通免許から大型免許まで、様々な運転免許が必要となります。さらに、クレーン車など特殊な設備を備えた車両では、その操作に特別な資格が必要な場合もあります。

大型特殊[[自動車]]（9ナンバー、0ナンバー）とは異なり、特種用途自動車の運転には大型特殊免許は不要です。例えば、クレーンを搭載したクレーン用台車は特種用途自動車に分類され、大型免許で運転できますが、ホイールクレーンは大型特殊免許が必要な大型特殊[[自動車]]に分類されます。このように、車両の種類によって必要な免許や資格が大きく異なる点に注意が必要です。

使用目的による分類

特種用途自動車は、その使用目的によっていくつかの種類に分類されます。主な分類と具体的な車両の例を以下に示します。

1. 緊急[[自動車]]

緊急の用に供される自動車で、道路交通法施行令で指定または届出された車両です。救急車、消防車、パトロールカー、臓器移植用緊急輸送車などが含まれます。

2. 法令特定事業用自動車

法令で特定される事業を遂行するための自動車です。給水車、医療防疫車、郵便車（移動郵便局車）、教習車、霊柩車などが含まれます。

3. 特種な目的に専ら使用するための自動車

さらに以下の4つの区分に分類されます。

運搬: 特殊な物品を運搬するための設備を備えた車両。粉粒体運搬車、タンク車、現金輸送車、冷蔵冷凍車などが含まれます。
患者等移送: 患者や車いす利用者を輸送するための設備を備えた車両。患者輸送車、車いす移動車などが含まれます。
特殊作業: 特殊な作業を行うための設備を備えた車両。消毒車、寝具乾燥車、クレーン車、レッカー車、高所作業車などが含まれます。
キャンプ・宣伝活動: キャンプや宣伝活動を行うための設備を備えた車両。キャンピングカー、放送宣伝車などが含まれます。

構造と装置の要件

特種用途自動車は、その使用目的に合わせて、特定の構造や装置の要件を満たす必要があります。例えば、最大積載量のある車両では、乗車設備と積載装置の間に適切な仕切りが必要となるなど、安全性を確保するための規定が設けられています。「特種な目的に専ら使用するための自動車」の場合は、さらに厳しい要件が求められます。

特種用途自動車からの除外

型式認証を受けた乗用車や貨物車の一部は、特種用途自動車から除外されます。具体的には、車体の形状や積載設備の構造などによって除外される基準が定められています。

まとめ

特種用途自動車は、多様な種類と用途を持つ車両の総称です。それぞれの車両の種類によって、運転に必要な免許や資格、そして車両構造に関する要件が大きく異なるため、正確な理解が必要です。本解説が、特種用途自動車に関する理解を深める一助となれば幸いです。

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