猿島 (敷設艇)

猿島について

猿島は、日本海軍における敷設艇の一隻であり、夏島型に分類されます。この艦船は1950年代の主要な海上戦略の一端を担い、重要な任務を果たしました。猿島という名前は、横須賀港の沖合に位置する小さな島に由来しています。

艦型と設計

猿島は計画番号H5bのもとに建造され、船体および兵装は同じ夏島型の「夏島」と共通です。試験的にマン式ディーゼルを主機に搭載したため、最大速力は若干低下しましたが、その航続距離はおおよそ2倍に増加しました。この新型の主機は優れた性能を示し、後の純粋な測天型や平島型の敷設艇、さらには駆潜艇や海防艦などさまざまな小艦艇の主動力源として採用されることとなります。

建造中には、1934年に起きた友鶴事件の影響で、復元性能を向上させる工事が行われました。具体的には、固定バラストとして80トンの重量が追加され、1939年には船体補強工事が完了し、その結果、公試での排水量は647.1トンに増加しました。また、大戦中には機銃が増設されたとの情報がありますが、詳細については不明です。

艦歴

1932年12月10日、「猿島」と命名され、2等敷設艇として登録されました。翌年の1933年3月28日には三菱横浜船渠で起工し、同年の12月16日に進水を迎えました。初めは1934年5月31日の竣工を予定していましたが、50日遅れて7月20日に正式に竣工し、横須賀鎮守府に配属されました。

1938年7月には支那方面艦隊に加わり、九江攻略作戦などにも参加しました。太平洋戦争が勃発した際、猿島は横須賀防備隊に所属し、東京湾口の対潜哨戒や機雷の敷設といった任務に従事しました。

1942年の後半以降は、八丈島間での日本近海の船団護衛に従事し、1944年2月1日には類別等級が特務艇から艦艇の敷設艇に変更され、再度横須賀鎮守府籍となりました。この年の5月17日には、館山湾を出発してサイパンへの船団護衛を行いますが、帰路の7月4日に父島付近で敵機の攻撃を受け、弟島西方に避難する際、機械室に直撃を受け火災が発生し、最終的に沈没しました。猿島は1944年9月10日に除籍されました。

艤装員長

有名な艤装員長、高島鉄郎大尉が1934年2月20日から艦の指揮を執っていました。彼のリーダーシップの下で猿島は多くの歴史的任務を遂行しました。

同型艦

猿島の他に、同型艦には「夏島」と「那沙美」が存在し、これらも同様に日本海軍において活躍しました。

参考文献

猿島に関する詳細な情報は、各種公文や歴史資料に記録されています。特に海軍省が編纂した資料や、現代の艦船に関する専門書がその歴史的背景を十分に説明しています。これらの文献は、今後の研究や理解を深めるための貴重な資料です。

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