猿田彦神社 (福岡市)

猿田彦神社について

猿田彦神社（さるたひこじんじゃ）は、福岡県福岡市早良区藤崎に位置する神社です。この神社は天照大御神の命を受けて天孫降臨を導いた猿田彦大神（サルタヒコノオオカミ）を主に祀っています。神社の近くには紅葉八幡宮があり、そちらが猿田彦神社を管理しています。

歴史

猿田彦神社の創設時期は不明ですが、参道入口の両側に立つ鳥居には「正徳三年正月二十一日再建」（1713年）という記録が残っています。また、他の鳥居には「紀元二千五百六十六年、明治三十九年五月再建」（1906年）との刻印が見受けられます。

この神社は元々、街道（旧唐津街道）の出入り口に設けられた道祖神として伝えられてきました。そのため猿と名の付く神様であることから、庚申信仰と結びついた経緯があると言われています。庚申の日には祭りが行われ、「災難が去り、幸福が訪れる」という信仰が広がりました。200年以上にわたって、庚申祭の日には紅葉八幡宮からの神職が神社を訪れ、神事を執り行っていましたが、2021年10月以降は神職が常駐するようになり、御朱印の受け付けも通年で行うようになりました。

祭典と行事

猿田彦神社の代表的な行事は、庚申祭（こうしんさい）です。庚申祭は、古代中国から伝わった暦に基づくもので、十干と十二支を組み合わせた60日周期の行事です。年に6回か7回、庚申祭が行われています。

この祭りの日には特別な授与品として「猿面」（さるめん）があります。これは博多人形の職人が制作したもので、自宅の玄関に飾ることで邪気が去るとされています。特に初庚申の日には、猿面を求める参拝者の長い列ができ、時には待ち時間が2時間から3時間に及ぶこともあります。福岡市内では住宅の玄関に猿面が掲げられている光景をよく見かけます。

施設

猿田彦神社の境内にはいくつかの主要な施設があります。社殿は拝殿と本殿が合体した神明造りで、社務所や手水舎、鳥居などが配置されています。

交通アクセス

神社へのアクセスは非常に便利です。鉄道では福岡市地下鉄空港線の藤崎駅から徒歩1分の距離にあり、ターミナルバスも近隣に運行されています。また、周辺には民間の駐車場もありますが、専用の駐車場はありませんので、訪問の際には注意が必要です。

再び神社への訪問を考えた際には、その豊かな歴史や文化的な行事に触れ、日常を離れた心豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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