玉坎型揚陸艦

玉坎型揚陸艦の概要

玉坎型揚陸艦（Yukan class landing ships）は、中国人民解放軍海軍における大型戦車揚陸艦の一種で、NATOコードネームとして知られています。この艦級は、中国人民解放軍において072型大型揚陸艦（072型大型登陆舰）という名称で呼ばれています。日本でも一部で話題となるこの艦は、近年の海洋進出を背景とし、構造や運用が注目されています。

設計の背景

玉坎型揚陸艦は、もともと中華民国海軍から鹵獲したLST-1級戦車揚陸艦を元に設計されました。これらは山型として運用されてきたため、その設計には前提条件がありました。本艦は、LST-1級の後継艦として開発され、ビーチング揚陸任務に特化した造りとなっています。基本的な構成はLST-1級と同じですが、より快速性が求められ、若干の高速化が施されています。

特徴

玉坎型の最大の特徴は、艦首に観音開きの門扉（バウ・ドア）が装備されている点です。この門扉からは歩板（バウ・ランプ）が出ており、長さ17.2メートル、幅4.8メートル、耐荷重50トンという仕様で、多様な車両や兵員が揚陸できます。また、艦尾にも同様の歩板（スターン・ランプ）が設けられ、こちらは耐荷重が20トンとなっています。これにより、ビーチング時の積載量は500トンに達し、最大で水陸両用戦車10両及び約200名の兵員の輸送が可能です。

また、煙突両舷にはアメリカ式のLCVP上陸用舟艇を2隻搭載するためのダビットが設けられており、必要に応じて724型エアクッション揚陸艇を車両甲板に準備することで、さらなる機動力を発揮することができます。

運用と配備

玉坎型揚陸艦は、1978年から1995年にかけて合計7隻が建造され、主に中国の東海艦隊に配備されています。これにより、人民解放軍海軍の揚陸能力が向上し、地上戦闘部隊の迅速な展開を可能にしました。各艦は、その機能性を最大限に引き出す形で、戦術的な運用を意識して設計されています。

おわりに

玉坎型揚陸艦は、中国人民解放軍海軍の重要な一部として、海洋進出と国防力の強化に寄与しています。その設計や性能が今後の軍事戦略にどのように影響するのか、引き続き注意深く見守ることが求められます。

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