玉屋町 (名古屋市)

玉屋町（たまやちょう）

玉屋町は、かつて愛知県名古屋[[市]]中区（当時は西区）に存在した地名です。現在の丸の内の一部にあたります。この地は、名古屋の歴史において重要な役割を果たし、経済や文化の中心として栄えました。

歴史

地名の由来

玉屋町の名前は、清洲越しによって移転してきた下本町が、貞享4年（1687年）に「宝珠（宝の玉）」にちなんで改称されたことに由来します。この地名変更は、町の発展と繁栄への願いが込められていたと考えられます。

沿革

• - 慶長16年（1611年）: 清洲越しにより、名古屋城下町に下本町として成立しました。
• - 貞享4年（1687年）: 町名が玉屋町に改称されました。
• - 明治4年（1871年）: 鉄砲町の一部を編入し、区域が拡大しました。
• - 1878年（明治11年）12月20日: 名古屋区玉屋町となり、行政区画に組み込まれました。
• - 1889年（明治22年）10月1日: 名古屋[[市]]成立に伴い、同市玉屋町となりました。
• - 1908年（明治41年）4月1日: 西区成立に伴い、同区玉屋町となりました。
• - 1911年（明治44年）: 年末には、宅地一坪あたりの地価が市内で最高額（73円50銭）を記録しました。これは、当時の市内平均地価3円84銭4厘、最低地価4銭（熱田前新田）と比較すると、玉屋町が突出して経済的に重要な地域であったことを示しています。
• - 1912年（大正元年）8月: 豊国火災保険株式会社の名古屋出張所が設置され、経済活動の中心としての役割を担いました。
• - 1928年（昭和3年）5月8日: 4丁目に株式会社昭和銀行の名古屋支店が開設され、金融面でも重要な拠点となりました。
• - 1929年（昭和4年）6月1日: 西区御幸本町通に編入され、玉屋町としての歴史を閉じました。

玉屋町は、その歴史を通じて、名古屋の発展に大きく貢献し、経済と文化の中心として重要な役割を果たしました。特に明治から大正にかけては、市内でも有数の経済拠点として名を馳せました。

ゆかりのある人物

玉屋町には、以下の著名な人物がゆかりがあります。

• - 小出庄兵衛: 詳細は不明ですが、この地にゆかりのある人物として記録されています。
• - 水口屋伝兵衛: 玉屋町に所縁のあった商人。
• - 小見山宗法: 同様に、この地に所縁があった人物。
• - 永楽屋東四郎: 玉屋町に所縁のあった商人。
• - 沼波瓊音：国学者であり歌人。

寺院

玉屋町には、以下の寺院が存在しました。

• - 聞安寺
• - 覚正寺
• - 理想寺

これらの寺院は、地域住民の信仰の中心であり、町の歴史と文化を支える重要な役割を果たしていました。

脚注

[参考文献]

• - 名古屋[[市]]会事務局 編『名古屋[[市]]会史 別巻 総合名古屋[[市]]年表（明治編）』名古屋[[市]]会事務局、1961年12月25日。
• - 名古屋[[市]]会事務所 編『名古屋[[市]]会史 別巻第2 総合名古屋[[市]]年表（大正編）』名古屋[[市]]会事務所、1963年3月10日。
• - 名古屋[[市]]会事務局 編『総合名古屋[[市]]年表 昭和編 一』名古屋[[市]]会事務局、1964年11月25日。
• - 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年。
• - 有限会社平凡社地方資料センター 編『日本歴史地名大系第23巻 愛知県の地名』平凡社、1981年。
• - 『なごやの町名』名古屋[[市]]計画局、1992年。
• - 福岡清彦『中区の町名』名古屋[[市]]中区役所、1976年。
• - 日外アソシエーツ 編『愛知県人物・人材情報リスト 2021（第3巻）』日外アソシエーツ、2020年10月。

関連項目

• - 名古屋[[市]]の地名
• - 十一屋
• - 玉屋庄兵衛

玉屋町は、その名前が示す通り、かつては宝のように価値のある地域として、名古屋の歴史にその名を刻みました。この地に関する情報は、名古屋の歴史を理解する上で重要な資料となります。

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