玉輝山正則

玉輝山正則（たまきやま まさのり）は、1951年4月29日に福岡県糸島郡前原町（現在の糸島市）で生まれました。片男波部屋に所属し、本名を萩尾正則といいます。182cm、141kgの恵まれた体格を生かし、右四つからの寄りや上手投げを得意としていました。

1963年1月、小学校在学中に片男波部屋に入門し、翌1964年5月場所に13歳で初土俵を踏みました。当初から「玉輝山」の四股名で相撲を取り、兄弟子の玉の海に稽古をつけてもらう中で、右四つの相撲ぶりや体格が似ていたことから、「玉の海二世」と期待されました。1971年9月場所には十両に昇進し、勝ち越しましたが、その直後に玉の海が急逝。この出来事に大きなショックを受け、しばらくは幕下と十両を行き来する低迷期を過ごしました。

その後、後輩の玉ノ富士に番付で追いつかれたことを機に奮起し、1974年5月場所で23歳にして入幕を果たしました。以降は玉ノ富士と共に片男波部屋の再興に尽力しました。幕内では上位と下位、十両との往復を繰り返しましたが、5度目の入幕となった1979年には、1月場所に大関・旭國に勝利し、5月場所には大関・貴ノ花、旭國を破るなど、上位で勝ち越して三賞候補にも挙がりました。そして、同年7月場所にはただ一度の三役昇進となる小結に昇進しました。

しかし、1979年9月場所中に右足大腿部を大怪我し、途中休場。翌場所には十両に陥落しました。その後、幕内に復帰することは叶わず、十両と幕下を2度往復した後、1984年3月場所を最後に32歳で引退しました。現役中、一度も改名することはありませんでした。

引退後は年寄・北陣を襲名し、片男波部屋付きの親方として後進の指導にあたりましたが、1987年9月に師匠の片男波親方（元・玉乃海）が亡くなった後、1988年1月場所限りで廃業しました。これは、元関脇・出羽の花の引退と年寄名跡の継承が関係していたとされています。

現在は、妻の故郷である埼玉県秩父市で、ちゃんこ料理店「やぐら太鼓」を経営しています。

主な成績・記録

通算成績：643勝662敗15休　勝率.493
幕内成績：153勝195敗12休　勝率.440
現役在位：118場所
幕内在位：24場所
三役在位：1場所（小結1場所）
三賞：無し
各段優勝
十両優勝：2回（1975年3月場所、1977年11月場所）
幕下優勝：1回（1973年3月場所）

年寄変遷

北陣 正則（1984年3月-1988年1月）

関連項目

* 小結一覧

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