玉造稲荷神社

玉造稲荷神社：大坂城と深い繋がりを持つ歴史ある神社

大阪市中央区玉造に鎮座する玉造稲荷神社は、長い歴史と豊臣家との深い繋がりを持つ神社です。府社格を有し、登記上の宗教法人名称は稲荷神社となっています。社伝によれば、垂仁[[天皇]]の時代（紀元前12年）に創建され、当初は比売社と呼ばれていました。

蘇我氏と物部氏の戦い、そして聖徳太子

蘇我氏と物部氏の戦いの際には、聖徳太子がこの地で戦勝祈願を行い、勝利後に観音堂を建立したという伝承が残されています。この逸話は、神社の古さと歴史的な重要性を物語っています。

豊臣時代：大坂城の鎮守社として

豊臣大坂城の三の丸に位置していた玉造稲荷神社は、豊臣家から厚い崇敬を受けました。天正4年（1576年）の戦火で荒廃した後、慶長8年（1603年）に豊臣秀頼によって社殿と高殿が再建されました。しかし、慶長20年（1615年）の大坂夏の陣で再び焼失するという苦難を経験しています。

江戸時代：伊勢参りの出発点として

元和5年（1619年）には、大坂城代内藤信正や氏子らの寄進によって再建され、豊津稲荷社と称されました。江戸時代には、伊勢参りの出発点として多くの参拝者で賑わいました。寛政元年（1789年）には、社地を平坦化するために東横堀川の浚渫土砂を運び込む「砂持」が行われたというエピソードも残っています。文久3年（1863年）の大坂大火でも焼失しましたが、明治4年（1871年）に再建されています。明治時代には府社に列せられました。

玉造という地名

現在の「玉造」という地名は、古代に勾玉などを製作していた玉作部の居住地であったという伝承に由来しています。

昭和の大空襲と再建

昭和20年（1945年）6月1日の大阪大空襲で社殿が焼失した後、昭和29年（1954年）10月に再建されました。昭和61年（1986年）には、創祀二千年を記念して境内に難波・玉造資料館が開館しました。

祭神と境内社

主祭神は宇迦之御魂大神です。境内には、厳嶋神社（祭神：市杵嶋姫神）、万慶稲荷神社、新山稲荷神社など、複数の摂社末社が祀られています。また、豊臣秀頼の胞衣を祀る胞衣塚大明神も境内にある重要な社です。豊臣秀頼公銅像も建立されており、豊臣家との繋がりを今に伝えています。境内には、豊臣秀頼が奉納した石鳥居の遺構も残されています。

その他の境内施設

境内には、本殿、拝殿、白龍池、社務所、参集殿、そして難波・玉造資料館などがあります。千利休に因んだ「利休井」も存在します。

アクセス

大阪環状線または地下鉄中央線・長堀鶴見緑地線森ノ宮駅から徒歩約6分です。

玉造稲荷神社は、歴史の重みと豊臣家との深い繋がりを感じることができる、魅力的な神社です。多くの見どころがあり、訪れる人々に静かな感動を与えてくれます。

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