玉野宏昌

玉野宏昌（たまの ひろまさ）

1978年6月1日に兵庫県神戸市で生まれた玉野宏昌氏は、内野手、外野手としてプロ野球界で活躍した元選手です。神戸市北区で育ち、三兄弟の長男として少年時代を過ごしました。

アマチュア時代

神戸市立星和台中学校3年生の時、地元神戸市で発生した阪神・淡路大震災に家族と共に被災しています。この困難な経験を経て、神戸弘陵高等学校へ進学。高校では硬式野球部に入部し、早くからその才能を見せ、1年生から遊撃手としてレギュラーの座を獲得しました。2年生になると打撃面でも能力を開花させ、チームの中心選手となります。

高校3年生の夏、全国高校野球選手権兵庫大会では快進撃を見せ、準決勝では強豪の報徳学園を7対2で破り決勝に進出。しかし、決勝戦では尼崎北高校に2対5で惜敗し、準優勝という結果に終わりました。この神戸弘陵高校時代の同級生には、後に中日ドラゴンズでもチームメイトとなる山井大介氏がおり、1年後輩には元西武ライオンズの佐藤友紀氏がいました。高校での実績が評価され、1996年度のプロ野球ドラフト会議において、西武ライオンズから1位指名を受け、プロ入りの夢を叶えました。

プロ野球選手として

西武ライオンズに入団した玉野氏は、当時読売ジャイアンツへFA移籍した清原和博氏がつけていた「3」番という栄光の背番号を託されます。しかし、外国人選手トニー・フェルナンデスの加入もあり、3年後には背番号が「33」に変更となりました。

プロ入り後、一軍出場機会を得るも、なかなか定位置を掴むには至りませんでした。1999年は6試合の出場に留まります。2000年シーズンには、開幕直後から二塁手としてスターティングメンバーに名を連ねる機会がありました。4月6日には千葉ロッテマリーンズ戦で藪田安彦投手からプロ入り初となる本塁打を記録。さらに4月9日の試合では4安打3打点と活躍を見せるなど、片鱗を見せました。しかし、体調不良や怪我に悩まされ、好調を維持することが難しく、その後も継続的に一軍でプレーすることはできませんでした。

2002年には、主力選手の怪我により三塁手として先発出場するチャンスが再び訪れましたが、残念ながら連続して失策を犯してしまい、この機会を活かすことができませんでした。二軍公式戦でも1試合で4つの失策を記録したこともあり、内野守備では苦労を重ねました。現役生活の後半には、外野手として出場する試みもなされました。

2004年のオフシーズンには、正津英志投手、宮越徹投手とのトレードで、大友進選手と共に中日ドラゴンズへ移籍します。新たな環境での活躍が期待されましたが、中日では一軍の試合に出場することなく、翌2005年シーズン終了後に球団から戦力外通告を受け、現役を退くこととなりました。

プロでの主な記録としては、1999年6月6日の対千葉ロッテマリーンズ戦での初出場・初先発（7番・三塁手）、同年6月8日の対オリックス・ブルーウェーブ戦での初安打（星野伸之投手から）、同年9月30日の対千葉ロッテマリーンズ戦での初打点（藪田安彦投手から）、2000年4月6日の対千葉ロッテマリーンズ戦での初本塁打（藪田安彦投手から）、そして2000年4月26日の対大阪近鉄バファローズ戦での初盗塁（前川勝彦投手、的山哲也捕手から）が挙げられます。

背番号は西武時代が「3」（1997-1999年）、「33」（2000-2004年）、中日時代が「39」（2005年）でした。

引退後のキャリア

プロ野球選手としてのキャリアを終えた玉野氏は、セカンドキャリアとして異分野への挑戦を始めます。佐川急便でトラックドライバーとして物流の世界に携わった後、紙製品を扱う「ニッセイロールペーパー」に転職し、営業職を経験しました。その後、さらなる転身を図り、2018年2月からはソニー生命保険株式会社の新宿ライフプランナーセンター第8支社に勤務しており、現在はライフプランナーとして活躍しています。

プロ野球の世界で培った経験を活かし、様々な分野で新たな道を切り拓いている玉野宏昌氏。その多才なキャリアは、多くの人々にインスピレーションを与えています。

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