王吸

王 吸（おう きゅう）の生涯と功績

王吸は、中国の歴史において重要な役割を果たした将軍であり、秦末から前漢時代にかけて活躍しました。彼は劉邦の信任を受け、前漢建国の立役者として名を馳せています。王吸の爵位は清陽侯で、その死後には諡号として定侯が与えられました。

初期の経歴

王吸は、中涓という近侍官の職に就いていた頃、沛県豊邑にて劉邦と共に挙兵しました。彼はその後、齢を重ねるにつれて武官としての道を歩み、騎郎将に任じられました。この役職は騎兵を指揮する重要なものであり、彼の軍事的才能が認められたことを示しています。

漢成立への貢献

高祖1年（紀元前206年）、劉邦が漢王に封ぜられると、王吸は彼に従い漢中郡へと進軍しました。特に注目すべきは同年8月、王吸とともに将軍の薛欧が南陽へ向かい、劉邦の家族を迎え入れようとしたことです。しかし、項羽がこの動きを察知し守りを固めたため、漢軍は進軍を果たせませんでした。その結果、劉邦の家族はしばらくの間、人質としての生活を強いられることになります。

楚漢戦争での戦功

楚漢戦争の激化に伴い、王吸は漢軍の将軍として数々の戦闘に参加し、項羽軍を討伐することに成功しました。これにより、彼は戦功を挙げ、さらなる評価を得ることになります。

清陽侯への封じとその後

高祖6年（紀元前201年）12月、王吸は甲申の日に清陽侯として封じられました。この際、彼は食邑3,100戸を与えられ、23年間にわたって侯位に留まりました。彼の子である王疆が清陽侯を継承した年は文帝元年（紀元前179年）であるため、王吸の死去は紀元前179年ごろと考えられています。

歴史的評価

王吸は前漢王朝の礎を築いた功臣として、その功績は『漢書』の高恵高后文功臣表に記載されており、彼は14位に位置付けられています。また、彼の功績を称えて後漢の著名な歴史家であり文学者でもある班固は、彼を讃える詩を詠んでいます。このことからも、王吸の影響力と重要性が感じ取れます。

彼の生涯は、歴史の中で英雄的な存在として同時代の人々や後世の者たちに語り継がれることでしょう。王吸の貢献は、前漢の基盤を作り、後の中国の歴史に重要な影響を及ぼしました。

もう一度検索