王家台秦簡

王家台秦簡について

王家台秦簡（おうかだいしんかん）は、戦国時代末期に秦国で作成された竹簡であり、中国の湖北省江陵県に位置する荊州市の荊州区鳳凰街道郢北村で発見されました。この竹簡は1993年に王家台15号秦墓から813枚が一挙に発見され、考古学的に非常に重要な遺物とされています。

発見の背景

1993年3月、王家台15号秦墓から出土したこれらの竹簡は、秦国の文化や社会に関する貴重な情報を提供しています。具体的には、竹簡には「帰蔵」「效律」「日書」「政事之常」「邦有」の5つの主要な文書が含まれています。

竹簡の詳細

帰蔵

「帰蔵」は394枚の竹簡から成り立っています。内容は、馬王堆帛書の『周易』と共通点を持っており、字体も戦国時代の楚簡に近いことから、この文書が戦国時代末期の抄本であると考えられています。

效律

「效律」は96枚からなり、睡虎地秦簡の同名の文書と内容的には一致しているものの、配列に若干の差異があります。これは両者が同時代の文書であったことを示唆しており、秦国における法令や規則を扱った重要な資料とみなされます。

日書

「日書」は12枚の建除篇と25枚の稷辰篇を含んでおり、これも睡虎地秦簡に見られる同名の文書に非常に近い内容です。これらの日に関する記述は、古代中国における天文学や時刻の決定に関する知識が反映されています。

政事之常

「政事之常」は65枚の竹簡で構成されており、方形の図表が描かれていることが特徴です。この図表は役人が占卜に利用した道具であるとの考え方がある一方で、具体的な解釈は不明のまま残されています。

邦有

「邦有」は、様々な自然現象や災害に関する予言が記されています。この文書は「災異占」として広く知られ、古代の人々が自然の変化をどのように理解し、対処していたかを伺い知ることができます。

研究の意義

王家台秦簡は中国古代の社会や思想を理解するための基礎資料として、今後の研究においても重要な役割を果たすことでしょう。特に、古代の占いに関する技術や概念がどのように発展してきたのか、また秦国の政策や法律がどのように形成されたのかを探る際に欠かせない資料となるでしょう。

参考文献

この分野では、いくつかの著作が特に有名です。工藤元男氏の『占いと中国古代の社会 発掘された古文献が語る』、横田恭三氏の『中国古代簡牘のすべて』、川村潮氏による『『帰蔵』の伝承に関する一考察』が、王家台秦簡に関する研究を深める助けとなります。

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