王廷楨

王廷楨（おう ていてい）

王廷楨は、清末から中華民国の初期にかけて活動した著名な軍人であり、北洋系の軍人として知られています。彼は、北京政府および直隷派に属していましたが、後に安徽派に転じました。彼の字は子銘または子明で、様々な役職を歴任し、軍事史において重要な足跡を残しました。

清末の活動

王廷楨は、北洋海軍学校で測量を学び、北洋機器局図工としてのキャリアをスタートさせました。その後、北洋武備学堂へ進学し、1898年に日本留学生選抜試験に合格しました。彼はその後、日本で学び、1901年には陸軍士官学校第1期騎兵科に入学したことから、彼の軍事的な教育が始まりました。1903年には首席で卒業を果たし、帰国後は陸軍教習営の教官として任命されました。

王廷楨は、多くの軍事書を中国語に翻訳し、その功績が評価されました。特に、袁世凱からの賞賛を受けたことで、第5鎮騎兵統帯や第1鎮総参謀などの高い職位に就くことができました。さらに、禁衛軍馬隊の指揮を執り、1910年には軍事代表団を引率してフランスを視察しました。その後も、禁衛軍の統領に昇進し、名声を高めました。

民初の活動

中華民国が成立すると、王廷楨は禁衛軍の師長として引き続きその役割を果たしました。しかし、1913年には天津鎮守使の署理に任命され、第二革命の勃発に際しては南方へ出動しました。その後も、江蘇省へ異動し、長江沿岸要塞司令に就任するなど、数々の重要な役職を歴任しました。

1917年には張勲を補佐し、長江巡閲副使となります。その後、政治状況が変わり、彼は安徽派に転じ、1918年には禎威将軍に列せられました。同年末には察哈爾特別区の都統に任命されましたが、1920年の安直戦争で安徽派が敗北し、彼もまた影響を受けました。

晩年

その後は北京政府の高級軍事顧問として活動し、1923年には蒙古前衛鎮守使に任命されました。さらに、1925年には呉佩孚の指揮のもと、討賊聯軍の運輸副司令に任ぜられ、その後司令に昇進しましたが、最終的には天津に戻り隠居生活を送りました。

1939年には、呉佩孚が「和平救国宣言」を発表する際に、王廷楨もその名に連署したと伝えられていますが、その経緯や具体的な活動の詳細については不明な点が多いとされています。1940年に彼は65歳でこの世を去りました。

参考文献

• - 外務省情報部編『改訂 現代支那人名鑑』
• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』
• - 来新夏ほか『北洋軍閥史 下冊』
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』

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