王文華 (民国)

王 文華について

王文華（おう ぶんか）は、中華民国時代の著名な軍人であり、黔軍（貴州軍）に属していました。彼は貴州の指導者である劉顕世の甥であり、また、国民革命の立場から孫文を支持していたことでも知られています。文華は「電輪」という字を持つほか、果厳とも称され、彼の家族には政治家や軍人が多く、彼自身もその影響を受けています。特に、彼の兄は国民政府の初代交通部長を、義理の弟は軍政部長や国防部長を歴任しました。

学問から軍事へ

王文華の初期は、学問の道を歩んでいました。1906年に興義書院を卒業後、翌年には貴州通省公立中学へ進学しました。その後、文華は師範教育を受け、1910年に興義公立高等小学堂の学監に任命されました。この間、彼はサンフランシスコの中国同盟会に参加し、政治活動にも関与します。辛亥革命の際には、彼は劉顕世の部隊に属し、貴州の軍隊の一員として活動しました。

中華民国が成立すると、王文華は新軍営長に就任し、貴州の警察庁庁長としても活動。その後、改革を提案し、黔軍第1団の団長に就任します。彼の指導の下、旧来の巡防営は新しい軍隊へと改編され、黔軍の精鋭部隊が誕生しました。

護国戦争の展開

1915年に勃発した護国戦争では、王文華は重要な役割を果たしました。雲南の指導者たちとともに、軍事的・政治的圧力をかけながら、劉顕世を独立宣言に導き、護国第1軍の指揮を任じられました。彼は優れた指揮で部隊を引き連れ、北京政府に対抗しました。王は戦争の中で数多くの勝利を収め、護国軍の成功に寄与しました。

その後、袁世凱の死後に黔軍第1師の師長に任命され、さらに四川出征も担当します。四川省では、川軍の指揮官たちとの対立が生じ、複雑な状況に直面しました。一方で、王文華は孫文との関係を深め、彼の支持を受ける革命派の一員としての地位を確立し、貴州内の新派として知られるようになりました。

クーデターとその後

1920年11月、王文華は劉顕世を打倒するクーデターを実行しました。この事件は「民九事変」として知られ、王は劉を政権から追放しました。しかし、彼のこの行動は多くの批判を招き、特に旧派の関係者に対する殺戮が過剰であったため、王は貴州に戻ることができませんでした。

その後、上海を拠点に孫文の支援活動を行いながら体制の変化を待つことになります。しかし、1921年3月、北京政府に接近し始めた有力な部下によって、王文華は暗殺され、35歳の若さで命を落としました。彼の短い生涯は波乱に満ちており、貴州における軍事政治の変遷を象徴する人物として、歴史に名を刻んでいます。

参考文献

• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社
• - 劉国銘主編『中国国民党百年人物全書』団結出版社
• - 貴州軍閥史研究会ほか『貴州軍閥史』貴州人民出版社
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局

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