王烈

王烈（おう れつ、141年 - 218年）は、後漢時代に生きた人物で、字を彦方（げんほう）と称しました。彼は青州平原郡平原県（現在の山東省徳州市平原県周辺）の出身です。

人物

王烈は、当時台頭しつつあった曹操からの招聘を受けませんでした。彼は戦乱の世を避けるため、遼東（現在の遼寧省南部）へと移り住み、そこで生活を送りました。しかし、その後遼東が混乱に陥ると、彼の家族や一族は各地へと離散し、一部は東夷（当時の中国から見て東方の異民族）の地に散らばりました。

子孫

王烈の十七世の孫にあたる王文林（おう ぶんりん）は、高句麗において西部将という重要な役職を務めた軍人でした。さらに、王文林から八世を経た王楽徳（おう がくとく）は、渤海国で暮らしました。しかし、遼の太祖である耶律阿保機（やりつ あぼき）が渤海国を征服すると、王楽徳は息子と共に東丹王を奉じ、遼陽（現在の遼寧省遼陽市）へと移住しました。

王楽徳の曾孫である王継遠（おう けいえん）は、東丹王に仕え、翰林学士（かんりんがくし）という学術的な役職に就きました。王継遠の末裔が、金の時代の著名な文人である王庭筠（おう ていいん）であるとされています。

王烈の生涯と子孫から見える歴史

王烈の生涯は、後漢末期の動乱期から三国時代にかけての激動の時代を反映しています。曹操の招聘を断り、戦乱を避けて遼東へ移住した彼の選択は、当時の知識人たちの生き方の一つの表れと言えるでしょう。また、彼の子孫が高句麗や渤海国、そして遼といった様々な政権下で活躍したことは、当時の国際関係や人々の移動の歴史を物語っています。特に、王庭筠のような優れた人物を輩出したことは、王烈の血筋が文化的な面でも大きな影響を与えたことを示唆しています。

このように、王烈という一人の人物を通して、後漢末期から金朝に至るまでの東アジアの歴史を垣間見ることができます。彼の足跡は、単なる個人の歴史にとどまらず、時代の変遷と人々の営みを映し出す鏡と言えるでしょう。

参考文献

* [元好問]]. “遺山集・巻十六-巻十八”. 浙江大学図書館. p. 20-21. [https://archive.org/details/06040262.cn/page/n20/mode/2up

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