王立アジア協会

王立アジア協会：東洋学研究の殿堂

王立アジア協会（Royal Asiatic Society of Great Britain and Ireland）は、1823年にイギリスで設立された、東洋学とアジア研究を専門とする由緒ある学術団体です。「グレートブリテン及びアイルランドの王立アジア協会」が正式名称で、設立当時のイギリスの国号に由来します。

協会の目的と活動

協会は、アジアに関する科学、文学、芸術の研究を推進することを目的としています。その活動は多岐にわたり、機関誌の発行、図書館の運営、写本コレクションの保存などが含まれます。

機関誌の発行: 1834年以来、『Journal of the Royal Asiatic Society』(JRA または JRAS)という機関誌を発行しています。この雑誌は季刊で、東洋学研究における重要な発表の場となっています。
図書館の運営: 協会は、8万冊に及ぶ蔵書と約2000部の写本コレクションを所蔵する図書館を運営しています。これらの貴重な資料は、研究者にとってかけがえのない資源となっています。
写本コレクションの保存: 著名な東洋学者の原稿を含む写本コレクションは、協会の重要な活動の一つです。これらの資料を保存し、研究に役立てることは、学術的な貢献として高く評価されています。

世界各地の支部

王立アジア協会の本部はロンドンにありますが、インド、スリランカ、マレーシア、中国、韓国など、アジア各地に支部を持っています。これらの支部は、それぞれの地域におけるアジア研究の拠点として活動しています。

日本アジア協会も、当初は王立アジア協会の支部となる予定でしたが、アメリカの意向により、提携組織として1872年に横浜で設立されました。現在、本部は東京にあります。

著名な会員

王立アジア協会には、数多くの著名な学者が会員として名を連ねています。

トーマス・ウェード (1818-1895)
リチャード・フランシス・バートン (1821-1890)
オーレル・スタイン (1862-1943)
ラビンドラナート・タゴール (1861-1941)

これらの学者は、それぞれの専門分野で顕著な業績を残し、王立アジア協会の名声を高めることに貢献しました。

王立アジア協会は、東洋学研究において重要な役割を果たしてきた学術団体です。その活動は、学術研究の発展に大きく貢献しており、今後もその役割は重要であり続けるでしょう。

参考文献
秋山勇造 (2004). “日本アジア協会と協会の紀要について”. 神奈川大学人文学会誌 (152): 71-82. https://cir.nii.ac.jp/crid/1050282677546342272.

外部リンク
* Royal Asiatic Society of Great Britain and Ireland - 公式サイト

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