理宗

理宗（りそう）

理宗は、南宋の第5代皇帝であり、諱は趙昀（ちょう いん）です。

生涯

開禧元年（1205年）に、太祖である趙匡胤の次男・趙徳昭の八世の孫である趙希瓐の子として生まれました。嘉定17年（1224年）、寧宗が危篤に陥ると、宰相であった史弥遠の画策により皇位を継承しました。

治世の初期は、史弥遠による専権政治が行われました。紹定6年（1233年）に史弥遠が死去すると、親政を開始しました。端平元年（1234年）には、モンゴル帝国のオゴデイと同盟を結び、金を滅ぼしました。しかし、戦後処理や領土分割問題などを巡って、モンゴルとの対立が激化しました。モンゴルとの抗争に苦しめられましたが、開慶元年（1259年）にモンケが亡くなったことなどから、南宋軍はモンゴル軍を退けることに成功しました。

内政面では、理宗自身が朱子学に傾倒していたことから、真徳秀などの学者を登用し、政治改革を図りました（端平更化）。しかし、理想を追求しすぎた改革は、モンゴルの侵攻という国家の危機に対応することができず、失敗に終わりました。

改革の失敗後、理宗は政治への関心を失い、遊蕩に耽るようになり、政治腐敗や派閥対立が深刻化しました。治世の末期には、寵妃の弟である賈似道が権勢を振るい、理宗は実権を失いました。また、宮殿の造営を推進するなど、国庫を破綻させる要因を作りました。景定5年（1264年）に60歳で崩御しました。嗣子がいなかったため、養子として迎えていた度宗（弟の栄王趙与芮の子）が即位しました。廟号の「理」は、彼が朱子学を重んじたことに由来します。

宗室

父母

父：趙希瓐
母：慈憲夫人全氏（全大節の娘）
養父：寧宗

妻子

正室：謝道清（寿和聖福皇后） - 謝深甫の子の謝渠伯の娘で、謝奕昌の妹
長男：祁沖昭王 趙維 - 嘉熙2年（1238年）生まれ。生後2カ月で夭折
側室：貴妃賈氏 - 賈渉の娘で、賈似道の姉
長女：周漢国公主（端孝公主） - 楊鎮（恭聖仁烈皇后の義兄の楊次山の孫）の夫人。
側室：貴妃閻氏

養子

* 趙禥（度宗） - 趙与芮の子

もう一度検索