嘉熙

嘉熙（かき）は、中国南宋時代の元号の一つで、理宗皇帝の治世である1237年から1240年まで用いられました。

嘉熙年間の主な出来事

端平3年（1236年）: 12月19日に、翌年からの踰年改元の詔が下されました。これは、年をまたいで元号を改めることを意味します。
嘉熙元年（1237年）: 5月22日には、首都臨安（現在の杭州）で大火が発生し、大きな被害が出ました。10月には、モンゴル軍が黄州を襲撃しましたが、宋軍の抵抗により撃退に成功しました。
嘉熙2年（1238年）: 2月、モンゴル帝国は歳幣（貢物）の提供を条件として、南宋に和議を提案しました。これに対し、南宋は3月2日に通好使をモンゴルに派遣し、交渉を開始しました。しかし、9月にはモンゴル軍が淮南に侵入。宋軍の反撃によりモンゴル軍は敗退しました。
嘉熙3年（1239年）: 正月2日、史嵩之が右丞相・枢密使という重要な役職に就任しました。3月には、宋軍が襄陽を一時的に奪還しましたが、守備の困難さから再び放棄しました。8月には、モンゴル軍が四川に侵入し、略奪を行いました。12月には、孟珙が長江中流域一帯でモンゴルの攻勢を阻止することに成功しました。
* 嘉熙4年（1240年）: 正月15日、星の異変を理由に、理宗皇帝が自らの過ちを認める「罪己詔」を発しました。2月には、モンゴル軍が四川から撤退しました。7月には、南宋とモンゴルとの和議交渉が決裂しました。10月3日には、翌年から元号を「淳祐」に改める踰年改元の詔が下されました。

他の王朝との関係

嘉熙年間は、モンゴル帝国では太宗オゴデイの9年から12年に相当します。この時期、モンゴル帝国は領土拡大を続け、南宋にも大きな影響を与えていました。

嘉熙の意味

嘉熙という元号には、「めでたいことが重なる」という意味合いが込められていると考えられます。しかし、実際にはモンゴル帝国の侵攻や国内の災害など、多難な時代でした。理宗皇帝はこれらの困難に対し、様々な政策を打ち出しましたが、最終的にはモンゴルとの和議交渉は決裂し、更なる戦乱の時代を迎えることとなりました。

嘉熙の次の元号は淳祐です。

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