景定

景定（けいてい）

景定は、中国・南宋の理宗皇帝の治世において、1260年から1264年までの5年間使用された元号です。

景定年間の主な出来事

景定年間は、南宋を取り巻く国内外の情勢が大きく変化した時期であり、後の南宋滅亡へと繋がる重要な出来事が数多く発生しました。

景定元年（1260年）
賈似道（かじどう）が少師・右丞相となり、政治の実権を掌握しました。彼の政治は、南宋の国力を衰退させる一因になったとも言われています。
モンゴルの使者である郝経（かくけい）が和平交渉のために訪れましたが、南宋はこれを拒否し、郝経を真州に抑留しました。この出来事は、モンゴルとの関係をさらに悪化させる要因となりました。
李璮（りがん）が淮安を侵犯しました。

景定2年（1261年）
呂文徳（ろぶんとく）が京湖安撫制置大使に任ぜられました。
モンゴルのクビライ・カアンが南宋征討を宣言しました。これにより、モンゴルによる南宋侵攻が本格化することになります。

景定3年（1262年）
李璮がモンゴルに背き、南宋と内通しました。しかし、この反乱はモンゴルによって鎮圧され、李璮は処刑されました。

景定4年（1263年）
モンゴル軍が嘉定府を侵略しました。
公田を買い上げる詔勅が出されました。
浙西の6郡に公田荘が設置されました。

景定5年（1264年）
関子銅銭法が施行され、現行の会子の発行が中止されました。
理宗皇帝が崩御しました。
度宗皇帝が即位し、翌年から元号が咸淳（かんじゅん）に改められました。

景定年間は、南宋が滅亡へと向かう過程において、政治的な混乱、モンゴルとの関係悪化、国内の反乱など、多くの困難に直面した時代でした。この時期の出来事は、南宋の命運を大きく左右することになりました。

元号対照表

関連項目

元号一覧 (中国)

もう一度検索