端平

端平（たんぺい）とは

端平は、中国・南宋時代の理宗皇帝の治世で使用された元号であり、1234年から1236年までの3年間を指します。この時期に理宗が親政を開始し、政治改革を試みたことは「端平更化」と呼ばれています。しかし、端平の時代は、金の滅亡、北伐の失敗、モンゴル帝国の侵攻など、南宋にとって多難な時代でもありました。

端平年間の出来事

端平年間には、以下の様な出来事が起こりました。

紹定6年（1233年）: 11月6日に、翌年からの踰年改元の詔が下されました。
端平元年（1234年）:
正月10日：モンゴル・南宋連合軍が蔡州を挟撃し、金が滅亡しました。
3月23日：太常寺の官員が洛陽へ派遣され、北宋の帝陵に参拝しました。
4月18日：金の哀宗の遺骨が臨安の太廟に捧げられました。
6月12日：開封・洛陽・南京の三京を回復するための北伐軍が出征しました。
8月：河南に出兵した宋軍がモンゴル軍の反撃に遭い、敗走しました（端平入洛）。
12月15日：モンゴルの王檝が臨安を訪れ、盟約の違反を詰責しました。
端平2年（1235年）:
正月22日：孟珙が黄州に鎮守しました。
2月18日：『中書門下後省両司通用条法』が公布されました。
5月12日：真徳秀が死去しました。
6月：モンゴル軍が四川・京湖・江淮の3方面から南侵し、モンゴル・[[南宋戦争]]が始まりました。
12月5日：万州の盗賊、蒲世興が誅されました。
端平3年（1236年）:
3月：宋軍の兵乱により襄陽がモンゴルの手に落ちました。
4月27日：北伐の失敗と国難を自認する理宗の「罪己詔」が下されました。
9月：成都府がモンゴル軍により侵されました。
11月：江陵に侵寇したモンゴル軍を孟珙が迎撃して破りました。
11月25日：宋軍が成都を奪還しました。
* 12月19日：翌年より「嘉熙」へ踰年改元の詔が下されました。

端平更化の光と影

「端平更化」は、理宗が親政を開始し、政治の刷新を目指したものでしたが、その成果は限定的でした。北伐の失敗やモンゴル帝国の侵攻など、外憂内患が絶えず、南宋の国力は衰退の一途をたどりました。端平の時代は、南宋が滅亡へと向かう転換点の一つと言えるかもしれません。

他の王朝との関係

端平年間、中国大陸の北方ではモンゴル帝国が勢力を拡大していました。当時のモンゴル帝国の皇帝は太宗オゴデイであり、端平年間はオゴデイの治世の6年から8年にあたります。モンゴル帝国は南宋への侵攻を繰り返し、南宋の国力を疲弊させていきました。

まとめ

端平は、南宋の理宗時代に使用された元号であり、理宗による親政と政治改革が行われた時代でした。しかし、金の滅亡、北伐の失敗、モンゴル帝国の侵攻など、南宋にとって多難な時代でもありました。端平の時代は、南宋が滅亡へと向かう転換点の一つと言えるでしょう。

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