理方一流

理方一流（りかたいちりゅう）

理方一流は、今枝良臺が創設し、居合を中心とした日本の武術流派です。この流派は、今枝流または今枝佐仲流とも称され、日本の伝統武道の中でも特異の存在を誇っています。理方一流は、初実剣理方一流のみが現存しており、その歴史的な体系は作州の津山藩に由来しています。

創始と流派の体系

今枝良臺は、父の今枝良堅と伯父の今枝良政から、祖伝の今枝流を修得した後、その技術をさらに発展させるために多くの流派から修行を行いました。具体的には、新陰流兵法、起倒流柔術、一伝流居合術、柏原流槍術などの流派を修練しました。これにより、家伝の今枝流の形を整理し、新たに理方一流を創設したのです。理方一流は居合の技術とともに、杖術、柔術、薙刀術、鼻捻、分銅鎖つき棒といった多彩な武道を包含し、武術としての深みを持っています。

各藩での伝承

理方一流は、歴史的背景とともに各藩で伝わっており、その系統は多岐にわたります。津山藩では初実剣理方一流と今枝流剣術（秋元派）が伝承され、越前大野藩や長府藩でも今枝流剣術が広まりました。また、小倉藩では今枝流初実剣術が行われ、伊賀上野には今枝良臺の子孫が伝えた流派が存在します。さらに、膳所藩にも今枝流剣術という流派があり、これらは今枝良政の子孫により進化したものであり、理方一流の基盤となる今枝流です。

関連書籍

理方一流の理念や技術については、今枝左仲良臺が著した『理方童子教』に記されています。この書は貞享四年（1687年）に岡山大学に所蔵されており、武士に求められる認識や修行の精神について述べています。書からの抜粋には、武士の子供に向けて「刀を持つことの意味やその徳についての心得」が記されており、武士としての成長と刀との関係が強調されています。

結論

理方一流は、ただの武術の流派ではなく、その背景には多様な歴史と文化が息づいています。今枝良臺が築いた流派は、今日でも多くの武道家に影響を与え、武道の精神と技術を伝承し続けています。理方一流は、技術の側面だけでなく、精神的な支えとしての役割も持ち、武士として生きるための道を示し続けています。

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