琴櫻傑將

琴桜 傑将（ことざくら まさかつ）の生涯

琴桜傑将（1940年11月26日 - 2007年8月14日）は、鳥取県出身の大相撲力士であり、第53代横綱に輝いた人物です。彼の本名は鎌谷紀雄。幼少期から示された才能は、柔道を通じて開花し、その後の相撲人生を支える基盤となりました。

幼少期と相撲界への道

琴桜は倉吉町で生まれ、地元の小学校を卒業後、高校では柔道の指導を受けました。彼の柔道の腕前は非常に高く、特例で段位を取得するほどでした。相撲に転向する際には周囲の反対もありましたが、彼は佐渡ヶ嶽部屋への入門を決意し、1959年に初土俵を踏みました。高校教育の面では、特別に卒業扱いを受けたものの、彼自身は早くから相撲に専念していればと悔やむこともあったようです。

修練と栄光の道

琴桜は当初、柔道の影響が色濃く残る左下手投げを得意としていましたが、稽古を通じて右四つの型を身につけました。1962年には十両に昇進し、その年の7月場所で初優勝を果たすと、さらに1963年には新入幕を果たしました。しかし、1964年にはトラブルに見舞われ、足首を骨折するなど苦労しました。その後の指導内容の厳しさを受け、相撲のスタイルを刷新。その結果、強烈な突き押しとぶちかましを得意とする「猛牛」として名を馳せました。

横綱昇進までの道のり

1967年には大関に昇進し、1968年には幕内初優勝を達成します。以降の活躍は目覚ましく、1971年には横綱昇進が期待された時期もありましたが、体調不良に苦しむ時期が続きました。1972年には連続優勝をなし、横綱審議委員会から高い評価を得て、1973年に横綱の座に就きました。

引退と後の活動

横綱としての在位は8場所と短命でしたが、彼は引退後も相撲界への貢献を続けました。佐渡ヶ嶽部屋を継承し、多くの弟子を育て上げることに尽力します。彼の指導方法は厳しくもあり、弟子たちへの愛情が感じられるものでした。特に、相撲の見識や精神を授けることに力を入れ、弟子たちからは深く慕われていました。

晩年と病との闘い

2000年を過ぎると、彼の健康状態は次第に悪化し、2004年には重大な手術を受けることになります。後には義足生活を強いられることとなり、それでも相撲界に対する情熱は衰えませんでした。2007年には弟子の琴光喜の大関昇進を見届け、涙を浮かべて喜ぶ姿が印象的でしたが、その後すぐに体調を崩し、同年8月にこの世を去りました。66年の生涯でした。

まとめ

琴桜傑将は、その力士としての実績や後進の育成のみならず、相撲界において人々に多くの感動を与えた人物です。彼の生い立ちから横綱に至るまでの道のりは、相撲の神髄を語る言葉となっています。

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