九份

九份（きゅうふん、ジョウフェン、チウフェン）

九份は、台湾北部の港湾都市である基隆市の近郊、新北市瑞芳区に位置する山あいの町です。その歴史は、金鉱の発見とともに始まり、独特の景観と文化が今も息づいています。

名称の由来

九份という地名の由来には、いくつかの説があります。最も有力なのは、台湾語で「九份」が「開墾した土地の持分を9人で分けたもの」を意味するという説です。また、清朝初期には9世帯しか住んでおらず、物を買う際に「9つ分」と言っていたことが由来とする説もあります。

九份は、台湾語で「カウフン (Káu-hūn)」または「カウフナ (Káu-hūn-á)」、中国語（國語）では「ジョウフェン、チウフェン（注音: ㄐㄧㄡˇ ㄈㄣˋ、拼音: Jiǔfèn）」と呼ばれています。

歴史

金鉱の町

かつて九份は静かな寒村でしたが、19世紀末に金鉱が発見されたことで、急速に発展しました。日本統治時代には藤田組によって最盛期を迎え、その名が広く知られるようになりました。現在も、九份の街並みには、日本統治時代の面影が色濃く残っており、路地や石段、酒家（料理店）などが当時のまま残されています。

しかし、第二次世界大戦後に金の採掘量が減少し、1971年に金鉱が閉山したことで、町は急速に衰退し、一時人々の記憶から忘れ去られた存在となりました。

観光地化

1[[989年]]、映画『悲情城市』のロケ地となったことがきっかけで、九份は再び脚光を浴びるようになりました。映画に登場するノスタルジックな風景は、多くの人々を魅了し、1990年代初頭には九份ブームが起こりました。このブームを受け、九份は観光地として整備され、現在ではレトロな喫茶店や茶藝館、土産物店などが立ち並び、週末には多くの観光客で賑わっています。

九份は、世界の旅行ガイドブックにも多数紹介されており、台湾を代表する観光地の一つとして定着しています。また、宮崎駿監督のアニメ映画『千と千尋の神隠し』のモデルになったという噂もあり、日本の観光客からの知名度も高くなっています。この噂はスタジオジブリや宮崎監督によって公式に否定されていますが、その独特な雰囲気を求めて訪れる人々が後を絶ちません。

近年では、中小企業庁によってIT技術が導入され、ウェブサイトや無料Wi-Fi、QRコードシステムなどが整備され、観光客にとってより便利な街となっています。

文化

九份は、2007年にドキュメンタリー映画『風を聴く〜台湾・九份物語〜』が公開されたことでも知られています。この映画には、九份出身で元金鉱主の顔恵民氏が登場し、一青妙さんと一青窈さんの姉妹がナレーションと挿入歌を担当しました。

沿革

1903年：九份庄と金瓜石庄が合併し、九份庄が新設される。
1920年：大字九分となる。
1933年：大字金瓜石に改称。

アクセス

鉄道

台鉄宜蘭線瑞芳駅で下車し、路線バスまたはタクシーに乗り換えます。

路線バス

瑞芳駅から金瓜石行き（788、825番）、福隆遊客中心行き（台湾好行黄金福隆線、856番）のバスで約20分。
基隆駅から金瓜石行き（788番）のバスで約1時間。「九份老街」バス停で下車。

タクシー

台北市内から約1200元（約4500円）。
瑞芳駅から220元（一律料金）。

高速バス

基隆客運1062番：台北中崙 - MRT忠孝復興駅 - 台鉄松山駅前 - 台鉄瑞芳駅 - 九份老街 - 金瓜石
台北客運965番（台湾好行九份金瓜石線）：府中路 - 板橋公車站 - 萬華車站 - MRT西門駅 - MRT北門駅 - 台鉄瑞芳駅 - 九份老街 - 金瓜石

施設

九份には、ホテル（飯店、旅社）は少なく、宿泊施設は主に民宿です。

近隣の観光施設

金瓜石黄金博物園区

画像

（画像に関する情報のため省略）

出典

（出典に関する情報のため省略）

外部リンク

九份(日本語)
新北市政府観光旅遊局 - 九份老街 (日本語) (中国語)
九份の楽しみ方-台北ナビ
ウィキトラベルには、九フンに関する旅行ガイドがあります。

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