生きた建築ミュージアム

生きた建築ミュージアムとは

大阪市は、市内にある歴史的、文化的価値の高い建築物を「生きた建築」と捉え、それらを活用して大阪の新たな魅力を創造・発信する取り組みを行っています。この取り組みが「生きた建築ミュージアム」です。

大阪には、近代建築やモダニズム[[建築]]が数多く存在し、現在もなお活用されています。これらの建築物を、単なる建造物としてではなく、歴史や文化を伝える生きた博物館として捉え、大阪の街全体を巨大なミュージアムと見なす点が特徴です。

生きた建築ミュージアム・大阪セレクション

2013年度から2014年度にかけて、合計50件の建築物が「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」として選定されました。選定にあたっては、建築の専門家である有識者会議の意見が参考にされ、嘉名光市氏、倉方俊輔氏、髙岡伸一氏、橋爪紳也氏らが名を連ねています。

選定された建築物に対しては、その魅力向上に必要な再生工事費の一部補助が行われました。これは、建築物をただ保存するだけでなく、積極的に活用することで、街の活性化にもつなげることを目的としています。

セレクションされた建築物の例

選定された建築物は、以下の8つのテーマに分類され、それぞれの特徴的な魅力を放っています。

I 時代を超えた塔のまち・大阪: 通天閣、梅田スカイビル
II 都市の社交空間: 大阪倶楽部、中央電気倶楽部、リーチバー、堂島サンボア バー
III 大阪の顔: マヅラ、大阪ガスビル、日本生命保険相互会社本館、御堂ビル、御堂筋ダイビル、本願寺津村別院
IV 水辺に向かって建つ建築: ダイビル本館、三井住友銀行[[大阪本店ビル]]、ルポンドシエルビル、北浜レトロビルヂング、江戸堀コダマビル、日本聖公会川口基督教会
V 心意気あふれる多彩な民間建築: 大阪証券取引所ビル、生駒ビルヂング、武田道修町ビル、船場ビルディング、原田産業株式会社大阪本社ビル、新井ビル、青山ビル、伏見ビル、堺筋倶楽部、大阪商工信用金庫新本店ビル、輸出繊維会館、北野家住宅、清水猛商店、芝川ビル、長瀬産業株式会社大阪本社ビル、日本基督教団大阪教会、今橋ビルヂング
VI 先端をゆく商業建築: 大丸心斎橋店本館、南海ビル、髙島屋東別館、純喫茶アメリカン、ギャラリー再会、食道園宗右衛門町本店ビル、味園ユニバースビル、浪花組本社ビル、オーガニックビル
VII 戦後大阪の都市改造: 船場センタービル、阪急三番街、梅田吸気塔、スリープカプセル
VIII 大阪の都市居住: 西長堀アパート、グランサンクタス淀屋橋

2023年には、第2期として新たに47件の建築物が選定され、そのラインナップはさらに充実しています。

生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪

毎年秋には、「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」（通称：イケフェス大阪）が開催されます。これは、日本最大級の建築一斉公開イベントであり、普段は内部を見ることができない歴史的建築物を、この期間に限り特別に公開するものです。

2013年の実証実験を経て、2014年から本格開催が始まりました。2016年からは「生きた建築ミュージアム大阪実行委員会」が主催となり、より規模が拡大しています。2019年には、国際的な建築公開イベントのネットワーク「オープンハウスワールドワイド」に加盟し、国際的な認知度も高まっています。この加盟に伴い、英語名称が「Open House Osaka」に変更されました。

その他の関連情報

「生きた建築ミュージアム」は、大阪の都市魅力を高めるための重要な取り組みとして、HOPEゾーン事業や大大阪といったプロジェクトとも関連しています。

また、毎日放送（MBS）は、アナウンサーカレンダーの制作において、「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」と連携し、建築物を背景とした写真を使用するなど、その魅力を発信する活動を行っています。

まとめ

「生きた建築ミュージアム」は、大阪の歴史と文化を伝える建築物を大切にしながら、新たな魅力を作り出すための取り組みです。建築物を活用し、街全体をミュージアムとして楽しむことができる点が大きな特徴です。毎年開催される「イケフェス大阪」では、普段は入れない建築物の内部を見学できる貴重な機会となります。大阪を訪れる際には、「生きた建築」に触れて、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

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