生島半六

生島半六（いくしま はんろく）

生島半六は、生年不詳ながら江戸時代中期に活躍した歌舞伎役者です。宝永元年（1704年）4月3日に亡くなりました。彼の名前が歴史に残るのは、初代市川團十郎を刺殺したという衝撃的な事件によるものです。

生涯

生年や出身地は明らかになっていません。初代竹島幸左衛門、後に生島新五郎に師事し、杉山半六という名で舞台に立ち始めました。実事や丹前を得意とし、江戸市村座の頭取として活躍しました。

團十郎刺殺事件

元禄17年（1704年）2月19日、初代市川團十郎が『移徙十二段（わたましじゅうにだん）』で佐藤忠信を演じ、見得を切っている最中、生島半六は楽屋から突如として舞台に現れ、隠し持っていた刀で團十郎の脇腹を刺しました。團十郎は程なくして絶命しました。

半六が團十郎を恨んでいた理由は、息子が虐待を受けたためとも言われていますが、確たる証拠はなく、事件の真相は今も謎に包まれています。半六は直ちに捕らえられ投獄され、事件からわずか1か月半後の4月3日に獄中で亡くなりました（自殺説もあります）。

事件の影響

半六の死後、彼の師である生島新五郎が、初代團十郎の遺児である二代目團十郎の師匠となった背景には、弟子が引き起こした刺殺事件に対する贖罪の意識があったとも言われています。

生島半六を演じた役者

生島半六は、その劇的な生涯から、多くの舞台やドラマで取り上げられています。

澤村宗十郎 (7代目) - 舞台『市川團十郎』（1914年）
尾上菊蔵 (5代目) - 舞台『市川團十郎』（1929年）
坂東八十助 (5代目) - 『花道は炎のごとく』（1985年3月28日。日本テレビ系列。木曜ゴールデンドラマ枠で放送。十二代目 市川團十郎襲名記念ドラマ）

関連項目

止め名

外部リンク

* コトバンク - 生島半六

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