生神女福音大聖堂 (アテネ)

アテネの生神女福音大聖堂

アテネに位置する生神女福音大聖堂は、ギリシャ正教会における首座主教の主教座聖堂であり、アッティカ地方の中心地にそびえ立つ壮麗な建築物です。この聖堂には、全能者ハリストスの降誕に関連する「生神女福音」が命名の由来となっています。1862年に完成したこの大聖堂は、新古典主義建築の代表例として、観光客や参拝者に広く親しまれています。

概要

この大聖堂はミトロポリス大聖堂とも呼ばれ、アテネおよび全ギリシアの大主教の座を構えています。聖堂の設立は1862年のことであり、国の重要な文化財として指定されています。使用された材料は主に煉瓦で、その規模は相当であり、長さ40メートル、幅20メートル、高さ24メートルのバシリカ様式のドームを持っています。内部には、オスマン帝国によって殺害された聖フィロセイと聖グリゴリオスの墓があることでも知られています。

歴史的背景

生神女福音大聖堂の建設は、1842年の降誕祭にギリシャ王オソン1世と王妃アマリアによって礎石が据えられたことで始まりました。この聖堂は、72の破壊された聖堂から集められた大理石を用いて作られ、建設には多くの技術者が関与し、20年の歳月を要しました。1862年にようやく完成し、王と王妃によって生神女福音に捧げられました。

聖堂の内部

聖堂の内部には、オスマン帝国の支配下で命を奪われた2人の聖人、聖フィロセイと聖グリゴリオスが祀られています。聖フィロセイは修道院を建設し、1559年に亡くなりました。彼女はギリシャ人女性を救った功績により、聖人として崇められています。一方、聖グリゴリオスは1821年のギリシャ独立戦争の契機となる蜂起の際に処刑され、その遺体はギリシャの水夫によって回収され、アテネに埋葬されました。

現在の状況

大聖堂の北側には「小ミトロポリス」とも呼ばれる小さな聖エレフセリオス聖堂があり、アテネの歴史的なランドマークの一部を形成しています。大聖堂の正面に広がる広場には、国の致命者聖コンスタンディノスの像と、第二次世界大戦中のアテネ大主教であり、後にギリシャの首相を務めた大主教ダマスキノスの像が建てられています。

生神女福音大聖堂はアテネの重要な文化的象徴であり、様々な国家行事や結婚式、葬儀などの儀式が行われる場所としても知られています。その美しい建築と豊かな歴史は、多くの人々を魅了し、訪問者に感動を与え続けています。

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