生野賢一

生野賢一：騎手から調教助手へ―重賞制覇と大怪我からの復活

生野賢一氏は、1984年生まれの日本中央競馬会 (JRA) 栗東トレーニングセンター所属の元騎手、現調教助手です。2003年、競馬学校第19期生として騎手デビューを果たしました。同期には、後に活躍する多くの騎手たちが名を連ねています。

デビュー当初から着実に経験を積み重ねた生野氏は、2009年、ナムラテンニョで初勝利を飾ってから間もなく、ブラボーデイジーとのコンビで福島牝馬ステークスを制し、重賞初制覇を達成しました。続くヴィクトリアマイルでは、GI初出走ながら単勝46.8倍という低評価を覆し、粘り強い騎乗で2着という好成績を残しました。この年は特別レースで4勝を挙げたものの、平場レースでは勝利がありませんでした。

しかし、2010年3月、阪神競馬場でのレース中に落馬事故に遭い、左大腿骨骨幹部骨折など、深刻な怪我を負います。一時は意識不明の状態が続き、脚の切断も危惧されるほどの重症でしたが、奇跡的に後遺症を残すことなく回復しました。

この事故をきっかけに、生野氏の騎手人生は大きな転換点を迎えます。復帰後は騎乗数が激減し、師事していた音無秀孝調教師の勧めで、2010年12月、騎手を引退。その後、音無厩舎の調教助手として、第二のキャリアをスタートさせました。引退レースとなった愛知杯でも、ブラボーデイジーに騎乗し、騎手生活に幕を閉じました。

生野氏の騎手時代は、数々の名馬との出会い、そして重賞制覇、そして大きな怪我からの復活劇と、ドラマチックな出来事の連続でした。ブラボーデイジーとのコンビは、特に彼のキャリアにおいて象徴的な存在と言えるでしょう。他にも、エンシェントヒルなど、多くの競走馬に騎乗し、それぞれの馬の能力を最大限に引き出すべく尽力しました。

騎手としての華々しい活躍だけでなく、重傷を負った際の負けん気、そして調教助手への転身と、生野賢一氏の歩みは、多くの競馬関係者やファンに感動を与え続けています。彼の経験と知識は、後進の育成にも活かされ、日本の競馬界に大きく貢献していると言えるでしょう。

調教助手として新たなスタートを切った生野氏。彼の今後の活躍にも注目が集まります。

主な騎乗馬

ブラボーデイジー (福島牝馬ステークス、ヴィクトリアマイル2着)
エンシェントヒル (ファイナルステークス)

騎乗成績

(詳細な騎乗成績は、JRAの公式記録等をご確認ください)

もう一度検索