生駒 (空母)

生駒（いこま）について

生駒は日本海軍が計画した未成航空母艦で、雲龍型航空母艦の第6番艦にあたります。この艦名は奈良県と大阪府に跨る生駒山にちなみ名付けられました。また、装甲巡洋艦（後に巡洋戦艦）「生駒」に続く2番目の命名となります。他の候補名には妙義が挙がっていました。

特徴

生駒は第5007号艦として位置づけられますが、同型の艦（第5008号艦から第5015号艦）は計画番号G16とされ、前の雲龍型艦とは若干の設計変更が行われています。特に注目されるのは、電源供給の変更です。第5006号艦までは直流220Vが用いられていましたが、本艦以降は新造艦で広く採用されていた交流440Vが導入されていました。

生駒は艦艇類別等級表では雲龍型として分類される一方で、『一般計画要領書』では「第302号艦型（飛龍改）」とは異なる「第5007号艦型（飛龍改ノ改）」として登録されています。また、戦史叢書では「天城」から「阿蘇」までを飛龍型、生駒以降を改飛龍型として区別しています。さらに一部の文献では生駒を雲龍改型の第1艦として紹介するものもあります。

ミッドウェー海戦の教訓を受け、生駒には爆弾や魚雷を直接飛行甲板に揚げるための新設計揚爆弾筒と揚魚雷筒が計画されました。このため爆弾庫や魚雷調製所の配置が見直されました。

艦の機関については、ボイラーは「一号乙300型ロ号」、タービンは「一号丙300型タービン」が計画されていますが、実際には重巡「伊吹」搭載の艦本式ボイラーとタービンと同一のものであったとされています。また、機関配置も交互配置が予定されていました。

装甲については、舷側装甲が55mmのCNC鋼に統一されるなどの簡略化が図られました。ただし、弾薬庫の舷側構造は当初の「天城」での140-50mmのNVNC鋼を55-46mmのCNC鋼に変更し、25mmのH鋼を加えたもので改良されました。機関室甲板の装甲も変更されました。

搭載機については、計画当初は零式戦闘機、九七式艦上攻撃機、九九九式艦上爆撃機でしたが、最終的には新型機に烈風、流星、彩雲が選ばれました。これらの変更によって、公試排水量は天城よりも50トン増の20,450トン、吃水は7.82mから7.86mに引き上げられる予定となりました。

歴史

生駒は1942年の改⑤計画に基づき、1943年7月5日に神戸の川崎重工業艦船工場で起工されました。艦の完成予定は1945年10月でしたが、1944年11月9日に工事中止命令が出され、工事進捗は約60%で止まりました。その後の11月17日には進水が行われましたが、数ヶ月間神戸港外で放置されていました。

その後、小豆島の池田湾に疎開し、終戦を迎えることとなりました。終戦時には小破していましたが、船体の迷彩が二重になっていたことが確認されています。この混乱は担当技師の手違いによるものとされています。

戦後、1946年6月4日から岡山県の三井造船玉野造船所で解体作業が開始され、1947年3月10日に完了しました。

同型艦

• - 雲龍
• - 天城 [III]
• - 葛城 [II]
• - 笠置 [II]
• - 阿蘇 [II]
• - 生駒 [II]

その他の艦も含まれた計画であり、総数は多岐に渡ります。

参考文献

• - アジア歴史資料センター、海軍歴史保存会の文献など、幅広い資料が存在します。これらの情報は日本海軍の歴史や艦船の設計に関する知識を深める上で重要です。

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