田中幸雄 (投手)

田中幸雄（たなか ゆきお）

プロフィール

田中幸雄は、1959年2月27日に千葉県流山市で生まれた元プロ野球選手、野球指導者です。ポジションは投手で、右投げ右打ち。

1986年から1989年にかけて、同姓同名の内野手、田中雄（当時の表記）が同じチームに所属していたため、身長190cmと長身だった投手の田中幸雄は「オオユキ」と呼ばれていました。

プロ入りまで

流山高校では園芸科に所属し、実物鑑定の全国大会にも出場経験があります。野球部では遊撃手や三塁手を務め、2年秋からは主将としてチームをまとめました。しかし、部員は10名程度と少なく、夏の地方大会では3年連続で初戦敗退を喫しています。高校3年の春の大会で、後のプロ野球選手である宇野勝がいた銚子商業高校と対戦し、コールド負けを喫しますが、この試合で180cmの長身だった田中は銚子商の監督、斉藤一之の目に留まりました。

斉藤監督は、当時社会人野球の電電関東で監督を務めていた加藤文夫に田中の存在を伝え、これがきっかけで田中は高校卒業後の1977年に同野球部に入団しました。

電電関東では当初内野手でしたが、入社3年目の1979年に投手に転向。同年8月15日の日本大学とのオープン戦でデビューし、7回1/3を投げて勝利[[投手]]となりました。1981年には都市対抗野球大会にエースとして出場し、先発で2勝を挙げてチームの準々決勝進出に貢献。同年のインターコンチネンタルカップには日本代表として選出されました。

プロ野球選手として

1981年のドラフト会議で、日本ハムファイターズから1位指名を受けてプロ入りを果たします。

1年目の1982年には一軍で5勝を記録し、活躍を見せました。しかし、2年目の1983年には右肘痛で出遅れ、復帰後には6連勝を挙げるものの、その後3連敗を喫しました。3年目の1984年には開幕投手を務めましたが、2勝9敗と不本意な成績に終わります。1985年6月9日の対近鉄バファローズ戦で、プロ野球史上55人目となるノーヒットノーランを達成。これが、プロ生活唯一の完封勝利となりました。1986年には、膝の故障で離脱した川原昭二に代わって抑えに転向し、13セーブを挙げました。しかし、1987年には開幕から不調で、抑えの座を松浦宏明に譲り、その後は登板機会が減少しました。

1990年からは中日ドラゴンズでプレーしましたが、1991年限りで現役を引退しました。

引退後

引退後は、日本ハムのスカウトや投手コーチを経て、再びスカウトを務めましたが、2005年に退団しました。

2007年には、社会人野球のJFE東日本のコーチに就任。2010年には、横浜ベイスターズのスカウトに就任しました。

2013年には、独立リーグであるBCリーグの信濃グランセローズで投手コーチを務めましたが、同年10月31日に退団。

2015年には、韓国の成均館大学校で臨時コーチを2ヶ月間務めました。同年4月には、菊川南陵高校の野球部助監督に就任し、同年8月には監督に昇格。2016年9月には、和歌山南陵高校に転勤し、野球部助監督を務めた後、2017年7月に退職しました。

2017年9月には郁文館高校の硬式野球部コーチに就任し、2018年7月には監督に昇格。2019年夏の東東京大会では、チームを過去最高のベスト16まで導きました。2023年夏限りで監督を退任しました。

2024年4月より、啓明学園高校の硬式野球部監督に就任しています。

詳細情報

年度別投手成績

（省略）

記録

初登板：1982年4月10日、対南海ホークス戦
初奪三振：同上、ジーン・ダットサンから
初先発：1982年4月21日、対ロッテオリオンズ戦
初勝利・初先発勝利：1982年5月1日、対ロッテオリオンズ戦
初完投：1982年10月2日、対西武ライオンズ戦
初完投勝利・初完封勝利：1985年6月9日、対近鉄バファローズ戦 ※ノーヒットノーラン達成

背番号

12 （1982年 - 1989年）
35 （1990年 - 1991年）
76 （2001年 - 2003年）
88 （2013年）

出典

個人年度別成績 田中幸雄 - NPB.jp 日本野球機構
選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)

関連項目

千葉県出身の人物一覧
北海道日本ハムファイターズの選手一覧
中日ドラゴンズの選手一覧
ノーヒットノーラン達成者一覧

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