田中義剛のオールナイトニッポン

田中義剛のオールナイトニッポン

『田中義剛のオールナイトニッポン』は、ニッポン放送で放送されていた深夜ラジオ番組です。1987年7月4日から1989年4月8日まで、毎週土曜日の深夜27:00～29:00に、NRN系19局ネットで放送されていました。

概要

パーソナリティは、当時北海道でローカルタレントとして活躍していた田中義剛さん。彼は『アタックヤング』や『サンデージャンボスペシャル』（いずれもSTVラジオ）などの番組で人気を集めていましたが、全国的にはまだ知られていませんでした。オールナイトニッポンへの出演は、彼にとって全国区への進出を果たす大きなチャンスとなりました。

番組のキャッチフレーズは「真夜中のカウボーイ 田中義剛のオールナイトニッポン」。タイトルコールを「オールナイトヌッポン」と訛って発音するのが特徴的でした。スポンサーのつかない2部でしたが、オープニングでは毎回「以上各社の協賛で、全国の田舎者を結んでお送りします」と語っていました。田中さんは番組開始後も東京には移住せず、毎週札幌から東京へ通い、放送後すぐに札幌へ戻って『サンデージャンボスペシャル』に出演していました。出演料は1回3万円でしたが、交通費は自己負担だったため、生活は赤字。札幌のアパートの電気、ガス、水道を止められていたそうです。

ある日の放送では、偶然局内にいた高井麻巳子さんをゲストに迎えるというサプライズもありました。最終回には、当時土曜日1部を担当していた松任谷由実さんが、自身の使用するレッドスカイスタジオを譲り、生放送を行いました。番組では、田中さんが自身の持ち歌や「人間なんて」などを弾き語りで歌い、みのや雅彦さんや、番組内で八戸亀として出演していた十日市秀悦さんらがゲストとして登場し、番組の思い出や田中さんの高校生時代について語り合いました。

番組開始までの経緯

番組開始前、1987年1月29日に放送された『お笑い新人類大集合!』に、田中さんがビートたけしさんの代役候補として出演しました。当日、札幌で「ヤングハート」の司会をしていた田中さんは、番組の時間が延長したために飛行機に乗り遅れ、STVからの電話中継での出演となりました。しかし、ニッポン放送側は田中の声が聞こえないふりをし、高田文夫さんが「聴こえてら、バカヤロ」と罵倒したり、時差を尋ねたり、無理やり曲紹介をさせたりと、散々な内容でした。高田さんの容赦ないツッコミに、田中さんは翻弄されるばかりでした。

しかし、放送後、ニッポン放送とSTVラジオには抗議の電話が殺到し、新聞の読者投稿欄にも「地方差別だ」という批判が掲載されました。これを受けてニッポン放送は高田さんと協議し、田中さんへの慰謝としてオールナイトニッポンのパーソナリティに起用することを決定し、本番組がスタートしました。

その後、田中さんと高田さんは「月刊ラジオパラダイス」で連載を持つなど、関係は良好なものとなりました。また、田中さんはビートたけしさんとも交流を持つようになり、「世界まる見え!テレビ特捜部」ではレギュラーを務めるなど、活躍の場を広げていきました。

主なコーナー

ニュー田舎モノ宣言: 「都会人」「田舎モノ」「ニュー田舎モノ」の三段落ちでネタを募集するコーナー。テーマ曲は守屋浩の「僕は泣いちっち」。
真夜中の通信販売: 十日市秀悦が八戸亀として出演していたコーナー。
吉幾三コーナー: 吉幾三みたいな田舎者を紹介して笑うコーナー。
全国スクールティーチャージョーク合戦: 学校の先生の駄洒落やジョークを紹介するコーナー。
うわさのローカル三面記事
こいつはすごいのコーナー
日本一のインチキ野郎 高橋君のコーナー: リスナーからインチキなネタを募集するコーナー。構成作家の高橋裕幸さんのエピソードがきっかけで誕生した。
恋愛講座
格言コーナー

番組イベント

旅は牛づれ大放送（1988年6月18日深夜）: 子牛の「牛（ギュー）ミンちゃん」をリスナーにプレゼントする企画。六本木に牛を連れて歩き、カラオケスナックで田中さんが「雪國」を歌うなどのイベントが行われた。
新宿フォークゲリラ（1988年12月2日深夜）: 新宿アルタ前でリスナーとフォークソングを歌う企画。「合格を知らない子供たち」を合唱したり、新宿二丁目のオカマバーから放送する予定が、電波状況が悪く中継車から放送するなどのハプニングがあった。

スタッフ

ディレクター - 加藤晋
* 放送作家 - 原田興治、高橋裕幸

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