田中頼庸

田中頼庸（たなか よりつね）

田中頼庸は、1836年（天保7年）に生まれ、1897年（明治30年）に没した、幕末から明治時代にかけて活躍した神道家、国学者、薩摩藩士です。通称は藤八、号は雲岫または梅屋と称しました。

生い立ちと薩摩藩士としての活動

大山綱良を叔父に持つ薩摩藩の一家に生まれました。幼少の頃から薩摩藩士として仕え、鹿児島城では重野安繹や今藤新左衛門らと共に、文学の才能に秀でた人物として知られていました。高崎正風の従兄弟である高崎五六との親交がきっかけで、正風は頼庸の父である綱良が所属していた薩摩藩の若手グループ「誠忠組」に入りましたが、頼庸は参加しませんでした。

京都での活動と国学への傾倒

その後、島津久光による文久の改革に伴い、活動の拠点を京都に移し、儒学や医学などを学びました。後に国学を専門的に研究するようになり、1867年（慶応3年）に薩摩に戻りました。

明治維新後の活動

明治維新後の1871年（明治4年）には、神祇省に入省し、教部大録や伊勢神宮の禰宜を歴任しました。その後も、大教正や神道事務局の副管長を務めるなど、神道界で重要な役割を果たしました。

1882年（明治15年）には管長に昇格し、独立。禰宜を辞職しました。同時期に常世長胤や出雲派の千家尊福を批判したことで、その名が広く知られるようになりました。

著作活動

田中頼庸は、研究活動だけでなく、著作活動にも力を入れました。

主な著書

『校訂日本紀』
『校訂古事記』
『神徳論』
『(神宮）祭神略記』

その他の著書

『三則演義』
『梅の屋文集』
『校訂古語拾遺』
『(神宮）祭神提要』
* 『語書』

墓所

田中頼庸の墓所は、[青山霊園]にあります。

まとめ

田中頼庸は、幕末から明治にかけて、神道家、国学者として活躍した人物です。薩摩藩士としての出自を持ちながら、国学の研究に励み、神祇省で要職を歴任しました。また、多くの著作物を残し、後世に大きな影響を与えました。

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