田原村 (愛知県)

田原村（たばらむら）

概要

愛知県南設楽郡にかつて存在した村である田原村は、現在の新城市にその名残をとどめています。特に、新城市の作手地区（かつての作手村）の一部である作手田原や作手黒瀬などが、この旧村域に含まれる地域です。田原村としての行政区画は、明治時代中期に成立し、その後再編を経て、明治時代後期には消滅しました。この項目では、田原村の成り立ちから廃止に至るまでの経緯と、現在の状況について解説します。

歴史

田原村の歴史は、明治初期の地方行政制度の再編期に始まります。

村の成立と初期の変遷

1878年（明治11年）、行政区画の整理統合の一環として、この地域にあった東田原村と西田原村が合併し、「田原村」が新たに誕生しました。これが最初の田原村の成立です。

その後、近代的な市町村制度の導入に伴い、1889年（明治22年）10月1日には大規模な町村合併が実施されました。この時、既に存在していた田原村は隣接する黒瀬村と統合され、改めて「田原村」として編成されました。この再編成により、村域は従前よりも広がりました。新しくなった田原村は、周辺の村落を含む行政単位として機能することになります。

作手村への統合と田原村の廃止

田原村がその自治体としての歴史を終えるのは、明治時代後期に行われた広域的な町村合併の時です。1906年（明治39年）5月1日、南設楽郡内で複数の村が統合されることになりました。この合併では、田原村に加え、巴村、菅沼村、高松村、田代村、杉平村、保永村、荒原村、そして大和田村の計九つの村が集まり、新たな村が誕生しました。この統合によって成立したのが「作手村」です。

この九村合併が実施された同日、田原村という名称を持つ行政区画は正式に廃止されました。これにより、明治11年の成立から明治39年の廃止まで、約28年間にわたって存在した田原村は、その歴史に幕を下ろしました。旧田原村の地域は、以後、作手村の一部としてその歩みを続けることになります。作手村自体は、2005年（平成17年）に周辺市町村と合併し、現在は新城市の一部となっています。

現在の状況

かつて田原村が存在した地域は、現在の愛知県新城市作手地区の一部に含まれています。具体的には、作手田原や作手黒瀬といった現在の地名に、旧村名や合併前の村名に由来する名残を見ることができます。これらの地名は、過去にこの地がどのような行政区画の元にあったのかを示す歴史的な痕跡と言えるでしょう。

参考文献

田原村に関するより詳細な情報や、この地域の歴史的背景については、『角川日本地名大辞典23 愛知県』などの地名辞典や地方史に関する文献を参照することができます。

関連項目

愛知県の廃止市町村一覧
田原村 (曖昧さ回避)

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