田口計

田口計（たぐち けい）

概要

田口計は、1933年1月10日生まれの日本の俳優であり声優です。長野県出身で、東京大学文学部英文学科を卒業しています。彼は多彩な役柄と卓越した演技力で知られ、特に時代劇や刑事ドラマでの悪役が印象的です。彼の家系にも俳優や作家などの才能を持つ人物が多く、息子は俳優の岩田和樹、甥は作家の吉岡忍です。また、北斗七星プロジェクトに所属していたという背景もあり、彼のキャリアは多岐にわたります。

略歴

田口計は、長野県南佐久郡臼田町（現在の佐久市）で生まれました。高校時代に停学を受けた際、ラジオ放送で文学座の舞台を聴いたことがきっかけで、役者の道を志すようになります。東京大学在学中の1955年、山本薩夫監督の映画『愛すればこそ』で映画デビューを果たし、その後も多くの映画やテレビドラマに出演を重ねていきました。1958年からはテレビの仕事が増え始め、TBSの須子プロデューサーとの出会いを通じて声優としても活動を始めました。1962年には劇団新劇場を設立し、演出や翻訳など幅広い分野で活動しました。

活躍と人物

田口は、現代劇から時代劇まで幅広いジャンルで活躍し、特に悪役俳優として名を馳せました。『大岡越前』や『暴れん坊将軍』などの作品では悪徳商人や奸臣役を演じ、視聴者からの強い支持を得ました。また、カンロのど飴のCMでの悪徳商人役も印象深いものです。声優としては、特にアメリカの俳優たちの吹き替えを行い、ケーリー・グラントやマーロン・ブランドなど名だたるスターの声を担当しました。彼は低音での落ち着いた声質を活かし、当初は二枚目の役が多かったものの、『刑事コロンボ』では犯人役を担当したことで新たな役柄の幅が広がりました。

趣味と特技

田口は、英会話やテニス、陶芸といった多彩な趣味を持ち、料理やシャンソンも嗜む多才な一面を見せています。彼は本業とは違う分野にも挑戦していますが、演技に対する情熱は揺るがず、特に吹き替えに関しては、自身を失わず、相手に近づけることへの重要性を強調しています。

エピソードと人間関係

彼は悪役を演じることこそ多かったものの、プライベートでは献身的な父であり、息子に「死ぬ役」と答えたエピソードが印象的です。また、彼の長年の師である山田五十鈴との共演も多く、互いの演技力を高め合う関係にありました。

彼は東京大学卒業という異例の経歴を持ち、クイズ番組やバラエティ番組にも出演したことで、知的な魅力をアピールしました。大学生活では、学生運動や演技に熱中し、多くの試行錯誤を経て成長しました。吹き替え演技については「操作が必要」とし、その難しさと楽しさを語っています。

さらに、時代劇や刑事ものを中心に、多数の作品に出演し続ける田口計は、今後も日本のエンターテイメント界で重要な存在であり続けるでしょう。彼の幅広い演技と声の表現が、今後も多くの人々を魅了していくに違いありません。

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