田宮如雲

田宮如雲の生涯と業績

田宮如雲（たみや じょうん）、本名篤輝（あつてる）は、文化5年（1808年）10月23日に誕生し、明治4年（1871年）4月19日に逝去した尾張藩の政治家です。彼は江戸時代後期の側用人としての職責を担い、藩政改革に尽力しました。

初期生活と家族

如雲は尾張藩士・大塚三右衛門正甫の次男として生まれました。後に田宮半兵衛の養子として事業を引き継ぎ、彼の通称は弥太郎でした。また、彼の晩年には如雲と名乗り、桂園と号しました。

政治活動の始まり

田宮は、尾張藩の政治的影響を強化するために、金鉄組という団体を設立しました。この団体は、藩主・徳川斉温の後継者として支藩高須藩の松平秀之助（後の徳川慶勝）を支持する運動を展開しましたが、実現には至りませんでした。

嘉永2年（1849年）には、慶勝が第14代藩主に就任すると、如雲は側用人格として藩政改革に着手します。彼の改革への情熱は、尾張藩の将来を思うが故でありました。

政治の試練と復帰

安政5年（1858年）には、安政の大獄が発生し、慶勝の隠居・謹慎に伴い如雲も政治の表舞台から退くことになりました。しかし、文久2年（1862年）に赦され、翌年には城代に就任して再び政界に復帰しました。

元治元年（1864年）の第一次長州征討では、慶勝が征長総督に任命されたことに伴い、如雲も参謀として従軍しました。ここで彼は長州藩に対する寛大な処分を提唱し、幕府からは忌避される立場となりました。翌年には再度屏居の身となりますが、同年8月には赦され、京都に上洛しました。

新政府への参加

慶應3年12月9日（1868年1月3日）には新政府の参与に任命され、戊辰戦争では甲州・信州の平定に貢献しました。このように、如雲は政局の変動期において重要な役割を果たしました。

明治2年（1869年）には名古屋藩の大参事に就任しますが、明治3年5月（1870年）に病により辞職しました。その後、彼は明治18年（1885年）に従四位を追贈されるなど、功績が認められました。

文化的貢献

田宮如雲は政治活動だけでなく、文筆家としても評価されています。彼は『新編桶峡合戦記』を弘化3年（1846年）に著し、さらに『桂園遺稿』も残しています。これらの著作は、彼の洞察力や政治に対する考えを示す重要な資料です。

家族

如雲の家族では、孫である田宮鈴太郎が1900年に男爵に叙爵されています。田宮如雲の業績は、彼自身の政治的な活動だけでなく、次世代にも引き継がれていきました。

如雲は、その生涯を通じて日本の歴史に多大な影響を与えた人物であり、彼の名を今後も語り継ぐことが期待されます。

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