田辺男外鉄

田辺男外鉄の生涯と業績

田辺男外鉄（たなべ おとてつ、1860年9月13日 - 1932年12月3日）は、明治から大正時代にかけて日本の海軍において重要な役割を果たした軍人であり、特に横須賀市の市長としても有名です。彼の本名は田邊男外鐵で、別姓として岩城を使用していました。最終的には海軍機関少将の階級まで昇進し、その生涯にわたり多くの業績を残しました。

初期の経歴

田辺は士族・田辺貞信の二男として石川県で生まれました。1881年に海軍機関学校を卒業後、1885年には海軍機関士としてキャリアをスタートさせました。彼は海軍学校在学時に岩城姓を名乗っていましたが、その後彼の名前は田辺に統一されました。

海軍においては、海軍機関学校教授や海軍兵学校機関術教官を経て、さまざまな職務に就きました。日清戦争にも従軍し、「大和」の機関長を務めるなど、実績を積んでいきました。後に佐世保鎮守府および呉鎮守府の機関長なども経験し、1906年には海軍機関大佐に昇進しました。また、1907年には少将に昇進し、多くの重要な任務を果たしました。

政治家としての業績

1911年、田辺は横須賀市長として市政に携わることになります。彼の市長就任は、市長候補者の推薦問題が絡み一時的に市長空席が続いた結果のものでした。市長としてのスタンスは「不言実行」であり、実質的な施策に取り組む姿勢が強く、いくつかの新しい施設の建設を推進しました。特に屠畜場や尋常沢山、山埼小学校の新設といった公共事業を進め、1912年に市章を制定するなど、市のシンボルを整備しました。

また、田辺は1916年に市の水道拡張に関する事業を市会で可決させ、地域の生活環境の改善にも尽力しました。しかし、彼の強い性格は市会との対立を招くことも多く、辞意を表明した際には数人の市会議員が辞職する事態に陥るなど、政治的な混乱を招く結果となりました。

彼が市長としての任期を全うすることなく、1917年に市長を退任した際には、様々な政治問題が影響していました。

栄誉と親族

田辺男外鉄は、1901年に勲四等瑞宝章を授与されるなど、多くの栄典を受けていました。彼の長男である田辺忠男も大学教授として活躍し、経済学者として多くの学問的影響を及ぼしました。忠男は東京帝国大学経済学部の教授を務め、立教大学の経済学部長や高崎経済大学初代学長も歴任しました。

まとめ

田辺男外鉄は海軍軍人として、また市長として多岐にわたり活動しました。彼の経歴は日本の近代史において重要な一ページであり、横須賀市の発展にも大きく寄与した人物です。

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