田都味嘉門

田都味 嘉門の生涯と業績

概要

田都味 嘉門（たづみ かもん）は、江戸時代後期の武士であり、宇和島藩の剣術家として知られています。彼は1814年に生まれ、1874年に亡くなるまでの生涯にわたり、武道の技量を高め、多くの弟子を育てました。彼の本名は成英で、号は為風です。彼にまつわる資料には「多都味 嘉門」と記載されているものもあり、その名声の広がりを感じさせます。

教育と修行の経歴

田都味は、宇和島藩士・田都味久之允の子として生まれました。父は俳人で、宇和島藩の俳諧界で高名でした。嘉門は幼い頃から武術に興味を持ち、まず松井から槍術を学び、その後、藩の剣術師範である鈴木和太夫の指導を受けて田宮流剣術を習得しました。

18歳のときには、同門の兄弟子八十島中と共に四国を回りながら武者修行を行います。その後、嘉門は父と共に江戸へ移ります。ここで、窪田派田宮流の師範・窪田清音に入門し、約8年間にわたり指導を受けました。1844年の正月には、ついに免許皆伝の証を受け、このことは彼の武道人生における一つの大きな節目となりました。

さらに、嘉門は師から田宮流だけでなく、山鹿流兵学、中島流砲術、関口流柔術、無辺夢極流槍術など、多岐にわたる武道を修得しました。

武道家としての活動

弘化4年（1847年）、嘉門は江川英龍の屋敷で行われた他流試合に参加し、名のある流派の剣士と対戦しました。これにより彼の名声は広まり、宇和島に帰藩後は道場を開設します。彼の道場は高名な師匠のもとで修業した経験を生かし、身体的にも恵まれた大きな存在感から多くの青少年に人気を集めました。

弘化5年には、神道無念流の名手たちが宇和島を訪れ、嘉門と実戦で対決をしています。さらに、嘉永2年から藩に仕官し、1852年には家禄80石を受け継ぎ、小姓や剣術指南役としての任務を果たしました。

影響を受けた弟子たち

田都味 嘉門は多くの著名な弟子を持ちました。その中には、児島惟謙（大審院長）、土居通夫（大阪商工会議所第7代会頭）、山崎惣六（初代宇和島町長）、浦和盛三郎（漁業家）、吉田虎一（宇和島藩御庭番頭）などがいます。彼らはそれぞれの分野で活躍し、嘉門の教えを生かしています。

晩年と遺産

嘉門は1861年の秋には坂本龍馬と会うための道場訪問を受けるなど、時代の変遷と共にその影響力を維持しました。1874年に享年61で亡くなるまで、彼は武道界と教育に多大な貢献をし続けました。彼の教えと業績は、今なお多くの人々に影響を与えています。彼の遺した道場や弟子たちの存在は、武道の伝承と発展に寄与し続けています。

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