由良成繁

由良成繁の生涯と業績

由良成繁（ゆら なりしげ）は、戦国から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、横瀬氏（由良氏）の8代当主として知られています。彼は1506年に上野国の名族、横瀬泰繁の長男としてこの世に誕生しました。横瀬氏は、小野氏流横山氏の一族であり、名門新田四天王の一人、由良具滋の末裔でもありました。

若年期と下克上の成就

成繁は岩松氏に家宰として仕えましたが、彼の曾祖父、横瀬業繁が下克上を成し遂げたことで、横瀬氏は事実上岩松氏の領国を統治することとなりました。成繁はその成果を引き継ぎ、岩松守純を新田金山城から追放しました。そして、鎌倉時代さかのぼる新田氏宗家の相伝による土地名を基に名字を由良に改めました。この行動により、成繁は関東と京都の政界において足利家直参の地位を確立し、新田氏と肩を並べる権威を獲得しました。

鉄炮と有力者との関わり

天文22年（1553年）、成繁は将軍足利義藤から鉄炮を贈られるほどの好みを持ちました。また、永禄8年（1565年）には義輝が暗殺された後、弟の義秋から上洛の要請がありました。成繁は元々由良氏の領地である上野を中心に、強大な敵、甲斐武田氏や上杉氏、古河公方足利氏、後北条氏に囲まれていました。この状況の中、彼は常に立場を変えつつ他勢力との関わりを強め、永禄12年（1569年）には北条氏康の影響の下で越相同盟の成立に貢献しました。

領土拡張と行政

天正元年（1573年）、成繁は館林城を攻め落とし、さらに後桐生氏の拠点である柄杓山城も陥落させてその勢力を滅ぼしました。以降、金山城を嫡男の国繁に譲り、天正2年（1574年）には柄杓山城に移り住みました。この時期、成繁は善政を施し、鳳仙寺を建立、城下町を整備するなど地域の発展にも寄与しました。

晩年と家族

成繁は1578年に桐生で亡くなりましたが、その正室である妙印尼は赤井重秀の娘であり、71歳という高齢で金山城の篭城を指揮した武将としても知られています。成繁の系譜には、長男の由良国繁や次男の長尾顕長があり、次男は長尾当長の婿養子として名を馳せました。また、他にも多くの子女がいましたが詳細は不明です。成繁の人生は、決して平坦な道ではなく、彼の生涯は戦国の混乱を生き抜いた武将として、多くの教訓を残しています。

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