甲山町

甲山町の概要

甲山町（こうざんちょう）は、過去に広島県の中東部に位置していた町です。この町は世羅郡の東側約3分の1を占めており、2004年10月1日に世羅郡に存在していた全3町（甲山町、世羅町、世羅西町）が合併し、新たに世羅町が設立されることによって廃止されました。甲山町の役場は老朽化が進んでいたため、合併後は新しい世羅町の役場が甲山町の役場の機能を引き継ぐ形となりましたが、これにより甲山町はその歴史に幕を下ろしました。

地理的特徴

甲山町は自然豊かな地域であり、特に多くの山々に囲まれています。代表的な山としては、宇根山が698.8メートル、新山が635.0メートル、男鹿山が633.8メートル、女鹿山が624メートル、高山が562.1メートル、広岡山が528.4メートルの高さを誇り、多くのハイキングやアウトドア活動が楽しめるスポットです。また、芦田川が流れ、地域環境を豊かにしています。

大字

2004年9月30日当時、甲山町は以下の大字で構成されていました。青近（あおぢか）、赤屋（あかや）、伊尾（いお）、宇津戸（うづと）、小世良（おぜら）、小谷（おたに）、川尻（かわしり）、甲山（こうざん）、西上原（にしうえはら）、東上原（ひがしうえはら）、別迫（べっさこ）などがあります。それぞれの大字には独自の村の歴史や文化が色濃く残されています。

歴史

甲山町は、1889年4月1日に町村制が施行され、当時は世羅郡に属する甲山村、東村、三川村と御調郡に属する宇津戸村が統合されました。1898年2月10日、甲山村は町制を施行し、初代甲山町が誕生しました。1955年には甲山町（初代）が他の村と合併し、甲山町（2代）として再スタートしました。1996年には、世界に名を馳せる吊り橋、夢吊橋が完成し、地域の重要なランドマークとなりました。橋の多くの部分が甲山町に属しているため、甲山町が一括管理を行っていました。

2004年には、世羅郡の全3町が合併し廃止されることにより、甲山町はその役目を終えることになります。

主要施設

合併後の2007年には、甲山警察署が世羅警察署に改称され、地域の治安を守る役割を引き継げるようになりました。教育施設としては、複数の小学校と中学校が設置されており、地域の子どもたちの学び舎となっています。

交通網

交通インフラも整備されており、鉄道ではJR福塩線の備後三川駅が利用可能でした。また、国道184号や432号をはじめ、主要な地方道や一般県道が地域を結び、アクセスの便を向上させています。八田原駅は1989年に廃止されましたが、昔ながらの交通手段も地域に存在しました。

名所と自然

甲山町には多くの名所や自然公園も点在しています。特に今高野山龍華寺や三川ダム（神農湖）、大妻森林公園、夢吊橋、そして甲山ふれあいの里などは観光名所として多くの訪問者を引きつけていました。これらの場所は地域の自然や歴史を感じられる貴重なスポットです。

有名人

甲山町出身の有名人には、大妻女子大学の創始者でもある大妻コタカがいます。彼の故郷は三川ダムの建設により水没しましたが、その生家は移築され、湖畔に胸像が設置されています。

このように、甲山町は多くの歴史的背景を持ち、自然と文化が豊かな地域でした。合併によてその姿を消しましたが、その名は今も多くの人々に記憶されています。

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