甲府市中心市街地活性化基本計画とは？意味をやさしく解説

甲府市中心市街地活性化基本計画：甲府駅周辺の再開発

甲府市中心市街地活性化基本計画は、2008年 11月から2020年3月にかけて山梨県甲府市で実施された、甲府駅周辺の再開発プロジェクトです。かつて県内随一の商業地として栄えた甲府駅周辺の活性化を目指し、様々な取り組みが行われました。

背景

バブル景気以前、甲府駅周辺は岡島百貨店、山交百貨店、甲府西武、ダイエー甲府店などの大型店舗や、甲府中央商店街をはじめとする商店街が軒を連ねる、山梨県の商業の中心地でした。1986年の「かいじ国体」開催に合わせて駅周辺の整備が行われ、駅舎の建て替えや百貨店の増床などが相次ぎ、最盛期を迎えました。

しかし、1990年代に入るとバブル崩壊後の消費低迷に加え、郊外に大型ショッピングセンターが相次いで開業。駅周辺の道幅の狭さや駐車場不足が問題となり、自家用車での買い物客が郊外へと流出しました。1998年には甲府西武、1999年にはトポス甲府店が閉店するなど、大型店舗の撤退が相次ぎ、中心商店街の売上は大幅に減少、シャッター通り化が進みました。

計画の始動

この状況を打開するため、山梨県、甲府市、商工会などが中心となり、甲府駅周辺の再活性化計画が立ち上げられました。2004年には甲府駅北口がシビックコア地区整備制度の策定を受け、整備が開始。2008年 11月には中心市街地活性化法の認可を受け、本格的な事業がスタートしました。

第一期は2008年 11月から2013年3月まで、その後2014年10月まで期間が延長されました。2014年10月には第二期の事業承認を受け、2020年3月まで事業が進められました。

整備区域

基本計画では、以下の地域が整備対象に指定されました。

相生（一丁目、二丁目の一部）
朝日（一丁目から五丁目の一部）
愛宕町（一部）
北口（一丁目から三丁目の一部）
宝（一丁目の一部）
武田（一丁目、二丁目の一部）
中央（一丁目の全域と二丁目、四丁目の一部）
丸の内（一丁目の全域と二丁目、三丁目の一部）

区域内には山梨文化会館が含まれる一方、セインツ.25は除外されるなど、個別の建築物によって対象範囲が異なっています。

第一期基本計画の主な事業

北口整備: 甲州夢小路のオープンなどシビックコア地区としての整備。
中央消防署: 庁舎の移転改築。
甲府市歴史公園: 甲府城山手御門の復元。
北口駅前広場（新ロータリー）: ロータリー改修とペデストリアンデッキ設置。
よっちゃばれお祭り広場: イベント広場の整備と甲府市藤村記念館の移設。
NHK甲府放送局: 施設の移設。
甲府地方合同庁舎: 庁舎と公務員宿舎の建設。
山梨県立図書館: 施設の移転。
甲州夢小路: 大正時代の街並みを再現した観光施設の建設。

南口整備

南口地区では、再開発ビルの建設や官公庁施設の建て替え・改修が行われました。

甲府地方裁判所: 庁舎の建て替え。
紅梅地区再開発ビル「ココリ」: 商業施設、専門学校、分譲住宅の複合ビル建設。
甲府市役所: 庁舎の建て替え。
山梨県庁舎: 防災新館の建設。

第二期基本計画の主な事業

南口再整備: ロータリーの分離、バスターミナルの改修。
駐輪場増設: 地下駐輪場の新設など。
甲府銀座ビル跡地再開発: マンションを主体とした再開発ビルの建設。

計画されていたものの実現しなかった事業

情報発信拠点: 計画凍結。
甲府城天守閣整備: 史料不足のため事業化されず。

計画の効果

2019年の定期フォローアップによると、空き店舗数は減少傾向にあり、歴史公園周辺の歩行者通行量は増加しています。

甲府市中心市街地活性化基本計画