申 (春秋)

申（しん）

申は、古代中国の周代に存在した諸侯国です。爵位は伯爵または侯爵であり、国君は姜姓を名乗っていました。申国は、かつて謝と呼ばれていた場所に建国されたため、謝とも呼ばれることがあります。

歴史

受封

申国の始まりは、周の宣王の時代に遡ります。宣王は、召の穆公に命じて古謝を滅ぼしました。その後、楚や南方の諸侯を監視する目的で、宣王の母の兄弟にあたる申伯を古謝の跡地に封じました。これが申（または謝）の創始とされています。

申侯の乱

申国は、西周の滅亡に関わる重要な出来事である「申侯の乱」の中心となりました。周の幽王の時代、申侯の娘である申后が王后でしたが、幽王は褒姒という女性を寵愛し、ついには申后と太子の宜臼を廃嫡しました。そして、褒姒を王后とし、その子である伯服を太子に立てました。この出来事に申侯は激怒し、紀元前771年に繒や犬戎と共に反乱を起こしました。この反乱で幽王は驪山で殺害され、西周は滅亡しました。その後、申侯は魯の孝公や許の文公らと協力して、申国内で太子の宜臼を即位させました。これが後の平王です。

領域

申国の領域は、陳と鄭の南に位置していました。『漢書』「地理志」によると、申の都城は南陽郡宛県（現在の河南省南陽市宛城区）一帯にあり、冥厄関（現在の湖北省随州市広水市と河南省信陽市溮河区の境界）の北、淮水（淮河）の南に広がっていたとされています。

歴代君主

申国の歴代君主については、詳細な記録は残っていませんが、申侯が最も有名な君主として知られています。申侯は、西周の滅亡に関わる重要な人物であり、その行動は歴史に大きな影響を与えました。

申国は、春秋時代初期に楚の文王によって呑併され、その地には楚の県が置かれることになりました。

このように、申国は短期間ながらも、周王朝の歴史において重要な役割を果たした国でした。その盛衰は、古代中国の政治と社会の複雑な動きを示す一例と言えるでしょう。

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