男衾郡

男衾郡（おぶすまぐん）とは

男衾郡は、かつて埼玉県（武蔵国）に存在した郡です。現在の行政区分では、熊谷市、深谷市、大里[[郡]]寄居町、比企[[郡]]小川町の一部に相当します。郡の名前は、東武東上線の男衾駅などにその名を残しています。

郡域

男衾郡の領域は、現在の以下の地域におおむね相当します。

熊谷市: 大字小江川、野原、須賀広、千代、柴、板井、塩および江南中央一 - 三丁目の一部（旧小原村）
深谷市: 荒川以南の全域（旧本畠村）
大里[[郡]]寄居町: 大字金尾、風布を除く荒川以南の全域
比企[[郡]]小川町: 大字西古里、鷹巣

歴史

古代

男衾郡は、7世紀ごろに武蔵国の郡として成立しました。この地域は、古墳群が多いことで知られる北武蔵の中でも特に古墳が多く、野原古墳群（「踊る埴輪」が出土）、塩古墳群、鹿島古墳群などが存在します。また、『延喜式神名帳』には、小被神社、出雲乃伊波比神社、稲乃賣神社の3社が記されており、当時から人口が多かったと推測されています。ただし、中世以降に郡域の変更が繰り返されたため、明治期と古代では範囲が異なっています。

近代以降の沿革

明治初年時点の支配状況は、「旧高旧領取調帳」に記載されており、33村が存在していました。幕府領は木村飛騨守支配所（関東在方掛）が管轄していました。

慶応4年

6月17日（1868年8月5日）：関東在方掛の旧岩鼻陣屋に岩鼻県が設置され、木村支配所管轄の幕府領の一部（靭負村・野原村・須賀広村を除く）と、一部の旗本領、寺社領（立原村）を管轄しました。
6月19日（1868年8月7日）：忍[[藩]]士の山田政則が武蔵知県事に就任し、幕府領・旗本領の一部（靭負村・野原村・小江川村・塩村・須賀広村）と寺社領（藤田村）を管轄しました。

明治2年

1月10日（1869年2月20日）：山田政則知県事が宮原忠英に交代しました。
1月13日（1869年2月23日）：武蔵知県事・宮原忠英の管轄区域に大宮県（県庁は東京府馬喰町）が設置されました。
9月29日（1869年11月2日）：県庁が浦和に移転し、浦和県に改称されました。

明治4年

7月14日（1871年8月29日）：廃[[藩置県]]により、藩領が忍県となりました。
11月14日（1871年12月25日）：第1次府県統合により、全域が入間県の管轄となりました。

1873年（明治6年）

6月15日：入間県が群馬県（第1期）と合併し、熊谷県となりました。また、白岩村、木持村、内宿村、甘粕村、関山村が合併し、鉢形村となりました（29村）。

1876年（明治9年）

8月21日：第2次府県統合により、熊谷県が武蔵国の管轄地域を埼玉県に合併し、群馬県（第2期）に改称。男衾郡は埼玉県の管轄となりました。

1879年（明治12年）

3月17日：郡区町村編制法の埼玉県での施行により、行政区画としての男衾郡が発足しました。大里[[郡]]熊谷宿に設置された大里[[郡]]役所が管轄しました。

1889年（明治22年）

4月1日：町村制の施行により、以下の5村が発足しました。
男衾村: 富田村、牟礼村、今市村、赤浜村、西古里村、鷹巣村
折原村: 折原村、立原村、三品村、秋山村、西ノ入村
鉢形村: 鉢形村、保田原村、小園村、露梨子村
小原村: 小江川村、野原村、須賀広村、千代村、柴村、板井村、塩村
本畠村: 本田村、畠山村
木部村、木呂子村、勝呂村、靱負村は比企[[郡]]竹沢村の一部となりました。
藤田村は榛沢[[郡]]寄居町の一部となりました。

1896年（明治29年）

4月1日：大里[[郡]]、幡羅[[郡]]、榛沢[[郡]]、男衾郡の区域をもって、改めて大里[[郡]]が発足し、同日、男衾郡は廃止されました。

行政

男衾郡の行政は、大里・男衾・幡羅・榛沢[[郡]]長が管轄していました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 11 埼玉県、角川書店、1980年
旧高旧領取調帳データベース

外部リンク

鉢形城歴史館・寄居町埋蔵文化財センター
深谷市川本出土文化財管理センター
熊谷市江南文化財センター

関連項目

消滅した郡の一覧
男衾三郎絵詞
* 男衾駅

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