畑毛温泉

畑毛温泉

畑毛温泉は、静岡県田方郡函南町に位置する、歴史と自然に彩られた温泉地です。かつては函南町側を畑毛温泉、伊豆の国市側を奈古谷温泉と区別していましたが、奈古谷温泉の衰退により、現在では伊豆の国市側も畑毛温泉として案内されています。

泉質

畑毛温泉の泉質は、以下の通りです。

泉質: 単純温泉
源泉温度: 34 - 37℃
特徴: 無色透明、ラドン含有量が多い（放射能泉には該当しない）

この泉質は、肌に優しく、幅広い年齢層の方に適しています。ラドンは微量ながらも、新陳代謝を促進し、免疫力を高める効果が期待されています。

温泉街

畑毛温泉の温泉街は、のどかな田園地帯に位置し、7軒の旅館が点在しています。共同浴場はなく、日帰り入浴は各旅館の受付を利用することになります。富士山の美しい眺望も楽しめる、心安らぐ温泉地です。

歴史

畑毛温泉は、古くからその存在が知られていました。伝承によれば、源頼朝が軍馬の療養に利用したとされています。江戸時代には「湯塚の湯」として、腫れ物に効能がある温泉として広く知られていました。寛延年間には湯治が行われていたという記録も残っています。

明治以降も、文人墨客に愛され、与謝野晶子は畑毛温泉を訪れた際に「湯口より遠く引かれて温泉は　女の熱を失ひしかな」という歌を詠んでいます。また、上林暁は滞在時の様子を『浴泉記』に記しています。

1962年（昭和37年）には、奈古谷温泉とともに国民保養温泉地に指定されました。

かつて存在した旅館

かつては、以下の旅館が存在していました。

奈古谷温泉旅館（伊豆の国市奈古谷1825）
角萬旅館（伊豆の国市奈古谷664-1）庭園、プール、テニスコートを備えた大規模な施設でしたが、2006年5月に閉館しました。
旅館　西館（伊豆の国市奈古谷669-1）
畑毛魚屋温泉旅館（伊豆の国市奈古谷702）
高橋別館（函南町畑毛244-4）現在は「誠山」としてリニューアルオープンしています。
いづみ荘（函南町畑毛227-2）
旅館つるみ（函南町畑毛258）

これらの旅館は、畑毛温泉の歴史を彩る貴重な存在でした。

アクセス

畑毛温泉へのアクセスは、以下の通りです。

鉄道
JR東海道本線函南駅
1番乗り場から伊豆箱根バス「畑毛温泉」行き（直行／大場循環）に乗車、約15～25分。1日6～9本運行。
伊豆箱根鉄道駿豆線大場駅
大場駅前2番乗り場から伊豆箱根バス「大場循環畑毛温泉」行きに乗車、約9分。1日17～19本運行。大場駅2番乗り場は駅前ロータリーにはなく、駅東口から徒歩2分の場所にあります。
両駅にはタクシー乗り場、またはタクシー会社の営業所があります。

外部リンク

* 函南町観光協会

畑毛温泉は、歴史と自然に恵まれた、心安らぐ温泉地です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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