畑野実

畑野 実（はたの みのる）

東京都で1949年9月23日に生まれた畑野実氏は、かつてプロ野球界で内野手としてプレーした選手です。高校、大学野球で実績を残した後、プロの舞台へと進みました。

生涯とキャリア

高校時代

畑野氏は日本大学第三高等学校（日大三高）に進学し、硬式野球部でその才能を開花させました。高校の同期には、後に大学、プロでもチームメイトとなる古賀正明投手や、柴田民男投手といった好投手がいました。畑野氏は主に三塁手として、2年生の頃からチームの主力として活躍します。

甲子園を目指す中で、チームは何度か惜しいところまで進みました。

1966年春季の東京大会では、準決勝まで勝ち上がりますが、日大一高との対戦で、相手投手の保谷俊夫選手、桜井憲選手による効果的な継投策に打線が抑え込まれ、決勝進出はなりませんでした。
同年夏の甲子園につながる東京都予選では、決勝の舞台まで駒を進めます。修徳高校との決勝戦では、先発した古賀投手が、修徳高校の辻正孝選手に本塁打を許すなど、両チーム合わせて16点が入る乱戦となりましたが、最終的に7対9で惜しくも敗れ去り、甲子園出場は叶いませんでした。
翌1967年夏も、再び甲子園予選で上位に進出しますが、準決勝で堀越高校に敗れ、在学中に甲子園の土を踏むことはできませんでした。堀越高校には、後のプロ野球選手となる依田優一選手が四番打者としていました。

大学時代

高校卒業後、畑野氏は同期の柴田投手とともに日本大学へ進学しました。大学野球部では、東都大学野球リーグでプレー。ここでも引き続き三塁手として、そして主に三番打者として、中沢邦男選手らとともにチーム打線の中心を担います。日本大学は1971年秋季リーグで優勝を飾り、畑野氏もその攻撃陣を牽引する重要な役割を果たしました。

勢いに乗ったチームは、同年秋に初めて開催された明治神宮野球大会にも出場。全国から集まった強豪校との戦いを勝ち抜き、決勝ではエースとして注目されていた山本和行投手を擁する亜細亜大学を破り、チーム史上初の優勝を成し遂げました。

プロ入りと阪急ブレーブス時代

大学での輝かしい実績が評価され、畑野氏は1971年のドラフト会議で、阪急ブレーブスから3位指名を受け、プロ野球選手となる道を選びました。阪急ブレーブスへの入団は、大きな期待とともに迎えられました。

プロ入り後の1972年には、将来有望な若手選手が集まるジュニアオールスターゲームのメンバーにも選出されるなど、その才能の一端を見せます。

しかし、選手層の厚いプロの世界でレギュラーの座を掴むのは容易ではありませんでした。畑野氏の一軍公式戦への出場機会は限られ、通算での出場はわずか2試合にとどまりました。プロとしての日々は短く、1974年シーズン限りで現役を引退することを決断しました。

背番号

阪急ブレーブスでプレーした期間中に使用した背番号は以下の通りです。

1972年 - 1973年: 28
1974年: 49

特に背番号49は、興味深いエピソードがあります。畑野氏が1974年に着用した49番は、球団が設立されて以来、39年間もの間、誰にも使用されることなく空き番号となっていました。畑野氏は、この歴史ある背番号49を、球団史上初めて背負った選手として、その名を残しています。

引退後

プロ野球選手としての短いキャリアを終えた後、畑野氏のその後の詳細な活動については、広く知られていません。

関連項目

東京都出身の人物一覧
* オリックス・バファローズの選手一覧（阪急ブレーブスの後身球団）

畑野実氏は、高校、大学時代にチームの中心選手として全国的な活躍を見せ、プロの世界へと進んだ内野手でした。短期間ではありましたが、阪急ブレーブスの一員として、日本のプロ野球の歴史に名を刻んでいます。

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