畠山長経

畠山長経の生涯

畠山長経（はたけやま ながつね）は、戦国時代の武将であり、河内国の守護大名として知られています。彼は政長流畠山氏の当主で、先代の畠山尚順の子であり、稙長の弟です。また、長経は石垣氏の末裔でもあると言われています。官位としては左京大夫を得ていました。

知られざる誕生からの出自

「両畠山系図」に記されているように、長経は尚順の次男です。彼の初期の名は宮原長経であったとされ、家族間の激しい争いの中で、石垣政氏を石垣城で殺害したことでその名を捨て、石垣氏を名乗るようになりました。この事件は、彼の権力を高めるきっかけとなったことでしょう。

家督相続の経緯

天文3年（1534年）8月16日、長経は兄・稙長の後を継ぎ、遊佐長教によって政長流畠山氏の家督に就きます。この擁立は、細川高国の残党である細川晴国や本願寺との連携を保持しつつ細川晴元に対抗する稙長にとって重要な意味を持っていました。長経の擁立には、木沢長政も深く関与していたと伝えられています。

衰退と失脚

しかし、長経が当主になったその年、天文5年（1536年）5月には、弟の晴熙が高屋城の当主として入城します。このことから、長経が既に失脚していた可能性が示唆されています。実際、天文4年（1535年）4月には高屋衆が本願寺に対して敵対行動を取ったものの、その背景に遊佐長教の和睦を進める姿勢と、政長流畠山氏内の対立があったとされています。長経は反対派に付いたため、同年4月以前に失脚したのではないかと考えられています。

不明瞭な死

長経はその後、家臣によって殺害されたとの情報も存在しますが、これについての証拠は『足利季世記』や『続応仁後記』といった信憑性が低い史料にしか見られず、確証はないのが現状です。天文7年（1538年）には、晴熙に代わって畠山晴満が政長流畠山氏の当主となります。晴満は義就流の畠山在氏と共に守護となり、その後も遊佐長教や木沢長政が実権を握っていくことになります。

結末

その後、天文11年（1542年）には再び稙長が当主の座に就くことになります。このように、姑息な権力の継承や家族間の対立が繰り広げられた長経の人生は、戦国時代の複雑な人間関係を反映しています。長経の生涯は、当時の権力構造や地域情勢を理解する上で重要な一章を成しているのです。

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