畦ヶ丸

畦ヶ丸（あぜがまる）の概要

畦ヶ丸は神奈川県足柄上郡山北町に位置している丹沢山地の山で、その標高は1293mです。西丹沢ビジターセンターの西側にあり、周囲の山々と共に丹沢大山国定公園に含まれています。遠くから見ると、甲相国境尾根の一部として見えるこの山は、実際にはモロクボ沢ノ頭から分岐した尾根上にあります。この尾根は、酒匂川水系（神奈川県側）と道志川水系（山梨県側）の分水嶺となっており、畦ヶ丸に降った雨は全て酒匂川へと流れ込みます。

山頂からは北西、北東、南東、南の4つの方向に尾根が伸びています。北西尾根はモロクボ沢ノ頭で甲相国境尾根と合流し、その先は大界木山や菰釣山に続いています。北東の尾根には、西丹沢ビジターセンターからの登山道があり、東海自然歩道としても指定されています。南東には畦ヶ丸吊尾根があり、一般的な登山道はなくバリエーションルートとなっています。また、南側の尾根は大滝峠や屏風岩山、世附権現山へと続き、丹沢湖へ下ります。各尾根が接する地域は急斜面が多く、豪快な滝が点在しており、特にモロクボ沢には落差30mの壮大な大滝があります。

山名の由来

畦ヶ丸という名称は、アセビの木が多く生えていることが言われており、また、「畦」には塚という意味も含まれ、遠目で見ると丸い塚のように見えるためこの名がつけられたとも言われています。国土地理院の地図では「畦ヶ丸山」と標記されていますが、登山者の間では「畦ヶ丸」と呼ばれることが一般的です。

植生

この地域は豊かな森林に覆われており、ブナやカエデが生育しています。また、頂稜部にはシロヤシオやトウゴクミツバツツジなどが自生し、春には美しい花を咲かせ、訪れる登山者を魅了します。1972年の豪雨では、畦ヶ丸の植生が大きな被害を受けたものの、現在ではケヤマハンノキやフサザクラなどの若木が芽吹いています。

周辺の地理

畦ヶ丸の周囲には中川川や大又沢、室久保川といった河川が流れています。特に中川川の上流部にはキャンプ場が点在し、温泉も近くにあります。大又沢はかつては村が存在した場所で、現在は静かな風景が広がっています。室久保川は道志川の支流として知られています。

登山道

畦ヶ丸への登山ルートは何本かあり、西丹沢ビジターセンターや大滝橋からアプローチできます。主なルートには西沢ルートや大滝沢ルート、白石沢ルートなどがあり、さまざまな特徴を持っています。特に西沢ルートは山頂への最短ルートで、東海自然歩道のサブルートとして選ばれています。これらのルートはダイナミックな滝を楽しみながら、自然の美しさを体感できる魅力的なコースです。

山小屋

畦ヶ丸には二つの避難小屋が設置されており、山頂直下の畦ヶ丸避難小屋と、大滝橋からの登山道途中にある一軒屋避難小屋があります。どちらも無人で通年利用可能ですが、トイレの施設がないため、事前に計画を立てることが重要です。

まとめ

畦ヶ丸は丹沢の雄大な自然と多彩な登山ルートを楽しむための絶好のスポットです。週末のハイキングや日帰りの冒険には最適な場所であり、その豊かな植生と美しい景観は訪れる人々に深い感動を与え続けるでしょう。

もう一度検索