西丹沢

西丹沢（にしたんざわ）

西丹沢は、神奈川県北西部に広がる丹沢山地の西側地域を指す通称で、「ニシタン」の愛称で親しまれています。この地域は、丹沢山地の主稜線である塔ノ岳から蛭ヶ岳にかけての西側に位置し、豊かな自然と多様な地形が特徴です。

概要

丹沢山地は、その中心部を基準に、東側を東丹沢、西側を西丹沢、南側を表丹沢、北側を北丹沢と4つの地域に分けて呼ばれることがあります。西丹沢は、主に酒匂川水系上流部の玄倉川、中川川、世附川の流域とその周辺地域を指します。ただし、明確な定義はなく、地域が重複する場合も多いです。蛭ヶ岳から檜洞丸周辺は、東丹沢と西丹沢の境界となることが多いとされます。

地理

西丹沢には、以下のような主要な山稜があります。

丹沢主稜（たんざわしゅりょう）

丹沢山地の最高峰である蛭ヶ岳から、西へ檜洞丸、犬越路、大室山、畦ヶ丸、菰釣山へと連なる稜線で、神奈川県と山梨県の境界をなします。大室山以西は甲相国境尾根とも呼ばれます。

同角山稜（どうかくさんりょう）

檜洞丸付近から南東に伸びる稜線で、同角ノ頭や大石山などの山があります。

石棚山稜（いしだなさんりょう）

檜洞丸から南西に伸びる稜線で、テシロノ頭や石棚山などがあります。石棚山の南中腹には、西丹沢県民の森があります。

甲相国境尾根（こうそうこっきょうおね）

大室山から三国山にかけての神奈川県と山梨県の境界をなす尾根で、丹沢主稜の一部です。

三国山稜（みくにさんりょう）

三国山から富士山麓の籠坂峠へと続く稜線で、広義の丹沢山地に含まれ、山梨県と静岡県の境界をなします。

神奈川・静岡県境尾根

三国山から東に伸び、不老山へ至る尾根で、サンショウバラの自生地として知られています。

檜岳山稜（ひのきだっかさんりょう）

玄倉川の南側に位置する稜線で、雨山や檜岳などの山があります。この稜線の南東側は、表丹沢として扱われることもあります。

主な川

西丹沢には、玄倉川、中川川、世附川などの河川が流れ、これらの川は丹沢湖へと注ぎ込みます。

主な滝

西丹沢の滝は「〇〇棚」と呼ばれるものが多く、「〇〇滝」と呼ばれるものは少ないのが特徴です。大棚、夕滝、白石の滝、本棚、下棚、涸棚、雨棚、地獄棚、黒棚、遺言棚、ボウズクリの滝などがあります。

登山

西丹沢は、登山愛好家に人気のエリアで、様々なレベルの登山コースが整備されています。主な登山拠点として、以下の場所が挙げられます。

西丹沢ビジターセンター

小田急小田原線新松田駅からバス一本でアクセスできるため、多くの登山者が利用します。ビジターセンター周辺からは、檜洞丸、大室山、畦ヶ丸など、様々な方面への登山道が伸びており、特に檜洞丸への「ツツジ新道」は、ツツジの開花時期には多くの人で賑わいます。

玄倉

丹沢湖畔に位置する玄倉も、登山者に人気の登山口です。玄倉からは、ユーシン渓谷として知られる玄倉川沿いのルートが人気です。

大野山、不老山

御殿場線の山北駅や駿河小山駅からアクセスできるため、初心者向けの登山スポットとして人気です。特に不老山周辺は、サンショウバラの自生地として知られています。

甲相国境尾根

大棚ノ頭や菰釣山などの峰々が連なる甲相国境尾根は、アクセスがやや難しく、マイカーやタクシーの利用が便利です。

山開き

西丹沢では、毎年春に登山者の安全を祈願する山開きが行われます。大野山では4月29日に、西丹沢ビジターセンターでは5月の最終日曜日に開催されます。

観光・キャンプ

西丹沢には、登山だけでなく、観光やキャンプを楽しむこともできます。

丹沢湖

玄倉川、中川川、世附川が流れ込む丹沢湖は、マス釣りやボート遊び、サイクリングなどを楽しむことができます。また、紅葉の名所としても知られ、秋には多くの観光客が訪れます。丹沢湖花火大会や丹沢湖マラソンも開催されます。

キャンプ場

中川川沿いには多数のキャンプ場があり、夏は多くのキャンプ客で賑わいます。また、中川温泉では日帰り入浴施設「ぶなの湯」が人気です。

西丹沢の風景

西丹沢は、四季折々の美しい自然景観が魅力です。新緑の季節には、鮮やかな緑が山々を彩り、秋には紅葉が山を赤や黄色に染め上げます。

関連情報

• - 丹沢山地
• - 東丹沢
• - 北丹沢
• - 丹沢大山国定公園

外部リンク

• - 秦野・西丹沢ビジターセンター
• - 西丹沢ビジターセンター公式ブログ

西丹沢は、豊かな自然と多様なアクティビティが楽しめる魅力的なエリアです。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

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