番外地

番外地（ばんがいち）の概要

番外地とは、日本における住所の一種で、地番が存在しない土地を指す用語です。このような土地は、しばしば「無番地」または「無地番地」とも呼ばれます。

1. 住所の表記方法

日本では、都市や地域によって「住居表示」が定められており、通常は「（○丁目）○番○号」という形式で住所が表示されます。ただし、この住居表示が実施されていない地域では、法務局によって管理されている「地番」が用いられます。地番は、登記されている土地に付けられる番号であり、これを基に個々の不動産の位置が特定されます。

住宅が建てられている場合、その住所は通常「地番○○番地」と示されますが、不動産登記のない土地、つまり国が所有する国有地については、必ずしも地番が付かない場合があります。特に、国有地として分割民営化された土地や、未認定の埋立地などは、その対象に含まれます。

2. 脱落地について

明治時代の地租改正の際に官有地と私有地が区分され、その区分から漏れた土地は「脱落地」と呼ばれます。通常、これらの土地には地番が付されず、土地登記簿にも載らないのが特徴です。

3. 番外地の住所表記

番外地の住所表記には、町名や字名がある場合、それに「（官有 / 国有）無番地」を付け加える形で表現されます。また、近隣にある地番を示す「地先」を使用したり、国有林の場合は林班を利用したりする方法があります。ただし、住居表示が実施されている地域では、建物の順番に番号が付けられるため、国有地の上に建つ建物でも「番外」とはなりません。

4. 具体的な例

番外地は様々な場所で見られます。例えば、鉄道会社の土地や自衛隊施設、国有林内の山小屋や三角点の所在地などが該当します。具体的には、南海電気鉄道鋼索線の高野山駅は「和歌山県伊都郡高野町大字高野山国有林第9林班ノは」という住所です。また、四街道市の一部には地番があるものの、市庁舎は無番地となっています。

青ヶ島村全域は地番が存在せず、住所は「東京都青ヶ島村無番地」です。ただし、国土地理院の地図では集落名が記載されています。

網走刑務所の所在地として「番外地」が使われているのは、その位置が「網走市字三眺官有無番地」であることに由来しています。これは、刑務所と社会が隔離されているイメージから来ているとのことです。

さらに、JR四ツ谷駅周辺の無番地の存在や、神奈川県横浜市中区横浜公園のような市管理の無番地も特徴的です。

参考文献

今尾恵介著『住所と地名の大研究』（新潮選書、2004年）。ISBN 4-10603535-9

関連項目

• - 網走番外地

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