當り矢信太郎

當り矢信太郎（あたりや のぶたろう）は、慶応元年（1865年）に下野国安蘇郡（現在の栃木県佐野市）に生まれ、春日山部屋に所属した力士です。本名を山口信太郎といい、身長160cm、体重92kgという体格でした。最高位は東前頭4枚目（1898年1月場所）で、右四つ、寄り、突っ張りを主な得意手としていました。

農家の長男として生まれた當り矢は、幼少の頃から地元の八幡相撲で活躍していました。年齢の割に髪が薄く、常に髷を奴頭に結っていたと伝えられています。

1889年1月場所に幕下として初土俵を踏み、1894年5月場所に十両昇進、1896年5月場所に念願の新入幕を果たします。小兵ながらも右四つと突っ張りを武器に、正攻法の取り口で活躍しました。温厚で几帳面な性格であり、毎日日記を付けていたことでも知られています。

1909年1月場所限りで、20年の現役生活に別れを告げました。最後の2場所は全敗でしたが、43歳まで現役を続けた息の長い力士でした。

引退後は、13代春日山として後進の指導に当たりました。現役中の1906年5月場所から春日山を襲名し、二枚鑑札の期間もありました。一時期は春日山部屋を運営していましたが、後に立浪部屋を創設した緑嶌友之助に弟子を譲っています。

1923年9月1日に発生した関東大震災により、57歳で亡くなりました。大相撲関係者で関東大震災で亡くなったのは、當り矢と梅垣直治郎（11代音羽山）の2人です。

主な成績

幕内成績：62勝111敗22分8預37休 勝率.358
幕内在位：24場所

改名歴

當り矢 信太郎（1894年5月場所 - 1906年1月場所）
春日山 信太郎（1906年5月場所 - 1909年1月場所）

参考文献
* 大相撲力士名鑑平成13年版、水野尚文、京須利敏、共同通信社、2000年、ISBN 978-4764104709

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