痛散湯

痛散湯（つうさんとう）

痛散湯は、再春館製薬所が販売している一般用生薬製剤で、麻杏薏甘湯加防已（まきょうよくかんとうかぼうい）という名前でも知られています。第二類医薬品に分類されており、購入時には薬剤師や登録販売者への相談が推奨されています。

製品概要

痛散湯は、漢方の古典『金匱要略』に記載されている麻杏薏甘湯をベースに、鎮痛効果を高めるために防已（ボウイ）を加えた独自の処方です。漢方医学の「気・血・水」のバランスを整えるという考えに基づき、生薬の相乗効果によって痛みを緩和し、痛みが起こりにくい体質へと導くことを目指しています。

特徴として、化学原料を一切使用せず、生薬のみを原料としている点が挙げられます。そのため、作用は穏やかですが、継続的に服用することで慢性的な痛みへの効果が期待できます。再春館製薬所では、身体が本来持っている自然治癒力を最大限に活かすために、日々の食生活や生活習慣に気を配る「養生」という考え方を提唱しています。

痛散湯には、煎じ薬タイプと顆粒タイプの2種類があります。

煎じタイプ（商品名：痛散湯）: 1960年に製造販売承認を取得
顆粒タイプ（商品名：再春痛散湯エキス顆粒）: 1969年に製造販売承認を取得

防已が追加されていない麻杏薏甘湯は、ツムラからも販売されています。

構成生薬

煎じタイプ（商品名：痛散湯）

麻黄（マオウ）
杏仁（キョウニン）
薏苡仁（ヨクイニン）
甘草（カンゾウ）
防已（ボウイ）

顆粒タイプ（商品名：再春痛散湯エキス顆粒）

麻黄（マオウ）
杏仁（キョウニン）
薏苡仁（ヨクイニン）
甘草（カンゾウ）
防已（ボウイ）
動物胆（どうぶつたん）

効能・効果

煎じタイプ（商品名：痛散湯）

三叉神経痛、肋間神経痛、後頭神経痛、腕神経痛、坐骨神経痛などの各種神経痛、急性慢性関節リウマチ、肩関節周囲炎（四十肩）などの疼痛の緩和。

顆粒タイプ（商品名：再春痛散湯エキス顆粒）

発熱を伴う関節や筋肉の腫れや痛み、神経痛、リウマチ、肩痛、筋肉痛、関節炎などの症状の緩和。

有効性（データ）

2003年から2004年にかけて、顆粒タイプの痛散湯についてGCP基準に準拠した臨床試験が実施されました。その結果、3ヶ月間の服用で、変形性膝関節症、肩関節周囲炎、坐骨神経痛の自発痛が60%以上改善した人の割合は、それぞれ91.7%、87.5%、78.6%でした。

薬効薬理

顆粒タイプの痛散湯をヒトに16週間経口投与した結果、筋肉の緊張緩和と軟骨コラーゲンの分解抑制効果が認められました。

注意点

痛散湯は、再春館製薬所の通信販売または直営店舗でのみ購入可能です。一般的な薬局やドラッグストアでは取り扱っていません。同様の薬を希望する場合は、漢方薬局で調合を依頼する必要があります。

関連項目

麻杏薏甘湯：麻黄、杏仁、薏苡仁、甘草で構成される漢方薬。関節痛、神経痛、筋肉痛などに適応。
生島ヒロシ：長年ラジオCMを担当していたが、2025年1月で降板。

外部リンク

再春館製薬所　痛散湯
再春館製薬所
養生薬湯

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