登坂栄児

日本の実業家であり、大日本プロレスリング興業株式会社の代表取締役社長を務めるのが登坂栄児（とさか えいじ）氏です。1971年3月25日、東京都足立区に生まれ、AB型の血液型を持ち、身長170cm、体重73kgという体格です。

都立京橋高校を卒業後、1991年にプロレス団体SWSの採用試験に合格して社会人のキャリアをスタートさせました。SWSが分裂した後は、ネットワーク・オブ・レスリング（NOW）へ移籍し、第2次NOWでは当時のプロレス界において異例ともいえる若さで社長に就任しています。

その後、1995年に大日本プロレスが旗揚げされる際に、統括部長としてその組織に加わりました。大日本プロレスの黎明期には、レフェリーとしてリングに上がり、特に数々の壮絶なデスマッチを裁いています。彼のレフェリーとしてのデビューは、1995年5月26日の静岡県・浜松市体育館大会、山川征二選手対矢口一郎選手の試合でした。レフェリー業務に加え、CS放送サムライTVで放送されていた大日本プロレスの中継番組「大日大戦」では、スポーツライターの須山浩継氏とのコンビで実況アナウンサーとしても活躍しました。番組中、場外乱闘で会場備品のパイプ椅子が使用されるなどした際には、現場の責任者として思わず苦言を呈することもあったといいます。

また、大日本プロレスのグッズ販売を担う子会社「四ツ葉工芸」を設立し、後にその代表も兼任しました。黎明期の登坂氏は非常に多忙で、元選手の李日韓氏によると、試合のある日は自らレフェリーを務めた後、すぐに売店に立ってグッズ販売を行い、試合のない日は事務作業に追われる日々を送っていたとのことです。現在も、試合のない日は主に事務や営業活動に従事しているといいます。

2008年、所属選手の不祥事を受け、2月19日付で現場責任者兼統括部長を引責辞任しました。同時に「大日大戦」の実況も一時的に離れましたが、同年9月16日放送回（9月14日開催の後楽園ホール大会）で復帰。復帰早々、後楽園ホールのパイプ椅子に関する自虐的なエピソードを披露しています。その後は、バーブ佐々木氏や李日韓氏といった後継のレフェリーが育ったこともあり、レフェリーとしてリングに上がる機会は次第に減少しました。現在は、レフェリー業務からは基本的に退き、実況アナウンサーとしての活動に専念しています。

統括部長時代には、当時の社長であるグレート小鹿氏が行っていたちゃんこ屋や自転車販売、歌手活動といった副業に対して、快く思わないこともあり、時にはそれらの活動を妨げるような動きを見せることもあったとされています。2011年7月1日、グレート小鹿氏が会長に就任したことに伴い、登坂氏が後任として大日本プロレスリング興業の代表取締役社長に就任しました。

経営者としては、「弱小インディー団体」を自称しながらも大日本プロレスを成長させた功労者の一人として認識されています。DDTプロレスリングの高木三四郎社長やKAIENTAI DOJO（当時）のTAKAみちのく選手兼社長（当時）らと共に「インディーの知恵者」と呼ばれることもあります。登坂氏は自団体だけでなく、インディープロレス界全体の活性化にも尽力しており、団体の垣根を越えた活動を展開しています。

その具体的な取り組みとして、2005年にはインディー団体が一堂に会するイベント「インディーサミット」を開催し、その成功に大きく貢献しました。また、2008年10月からは、これからプロレス興行を主催してみたいと考える人々を対象にした個別セミナーを開講し、興行の企画・実施方法からリスクとリターンに関する幅広い知識を提供しています。

プロレス関連の活動以外にも、映画『お父さんのバックドロップ』にレフェリー役で出演したり、ドキュメンタリー映画『狂猿』（2021年）に出演したりしています。ラジオではHBCの『ラジプロ!』、テレビでは「大日大戦」（サムライTV）、ウェブ配信では「大日報道」（ニコニコ動画・大日本プロレスch）などで実況や番組出演を務めています。

インターネット上では、公式ウェブサイトのスタッフデータに情報が掲載されているほか、かつては「登坂栄児の徒然ブチョー」というブログを運営していましたが、2008年に更新を休止しています。現在は、X（旧Twitter）アカウント（@tosakaeiji）を通じて情報発信を行っています。

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