狂猿

狂猿 (KYO-EN The DOCUMENTARY OF A MAN WHO SHINES IN BLOOD)

川口潤監督がメガホンを取り、2021年5月28日に公開されたドキュメンタリー映画『狂猿』は、デスマッチという過酷な舞台で生きるプロレスラー、葛西純の姿を追った作品です。「生きて帰るまでがデスマッチ」というキャッチコピーが示すように、彼の生き様は常に死と隣り合わせです。

概要

本作は、葛西純の欠場から復帰までの道のりを軸に、彼の人間性とデスマッチにかける情熱を浮き彫りにしていきます。割れた蛍光灯、カミソリボード、ガラスが飛び散るリングといった、常軌を逸した戦場で繰り広げられる試合の数々。その裏で、彼は一体何を考え、何を感じているのでしょうか。

映画では、葛西のプライベートな一面や、リングの舞台裏、過去のライバルたちの証言などを通して、彼の多面的な魅力を描き出します。また、コロナ禍という未曾有の事態に直面しながら、葛西がどのように復帰への道を模索していくのかも克明に捉えられています。

企画を担当したのはスペースシャワーネットワーク。プロデューサーの佐藤優子は、デスマッチを知らない人にも本作を届けたいという思いから、音楽ドキュメンタリーを中心に手掛ける川口潤を監督に抜擢しました。川口自身は当初、デスマッチの知識が全くなかったものの、撮影を進めるうちに葛西に共感し、運命的なものを感じたと語っています。

葛西は当初、この企画に抵抗を感じていたそうですが、監督から熱意と意図を伝えられ、最終的に承諾しました。本作はPG12指定を受けています。

あらすじ

1998年にデビューし、「クレイジー・モンキー」の異名を持つ葛西純。彼はデスマッチという危険な戦場で、数々の伝説を打ち立ててきました。しかし、長年の激闘で体は悲鳴を上げ、2019年12月には腰椎椎間板ヘルニアと頚椎椎間板ヘルニアを併発し、長期欠場を余儀なくされます。

治療に専念する日々の中、葛西は焦燥感に駆られます。検査の結果、医師からは復帰の許可を得るものの、かつての気力は戻りません。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大がプロレス界を襲い、状況は悪化の一途を辿ります。そんな苦境の中、葛西はどのようにして再びリングに立つことを決意するのでしょうか。

出演者

葛西純
佐々木貴
藤田ミノル
本間朋晃
伊東竜二
ダニー・ハボック
竹田誠志
杉浦透
佐久田俊行
登坂栄児
松永光弘

スタッフ

監督：川口潤
企画：佐藤優子
撮影：川口潤、大矢大介、鳥居洋介、村尾照忠
録音：川口潤
編集：川口潤、築地亮佑
MA：三留雄也
写真撮影：岸田哲平、中河原理英
Art Work：BLACK BELT JONES DC
制作：アイランドフィルムズ
製作：葛西純映画製作プロジェクト（スペースシャワーネットワーク+ポニーキャニオン+プロレスリングFREEDOMS）
配給：SPACE SHOWER FILMS

狂猿が描くもの

『狂猿』は、単なるプロレスラーのドキュメンタリーではありません。葛西純という一人の男の生き様を通して、痛み、苦しみ、喜び、そして愛を描き出した作品です。彼の生き様は、私たちに勇気と希望を与えてくれるでしょう。

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