白上謙一

白上謙一は、1913年10月23日に東京府（現在の杉並区）で生まれ、1974年9月5日に60歳で亡くなった日本の生物学者です。父は白上佑吉です。

彼は東京帝国大学（現在の東京大学）理学部動物学科を卒業後、同大学院に進みました。その後、山梨医学専門学校、山梨県立高校教諭を経て、山梨大学学芸学部で助教授、教授を務めました。晩年は京都大学理学部教授として教鞭を執り、その職務中に亡くなりました。

白上謙一の専門は動物発生学でした。彼はこの分野において重要な研究を行い、日本の生物学の発展に大きく貢献しました。

著書

『生物学と方法 発生細胞学とはなにか』 (河出書房新社, 1972年)
この著書では、発生細胞学の基本的な概念や方法論について解説しています。生物学の研究における方法論の重要性を示唆する内容となっています。
『現代の青春におくる挑発的読書論』 (昭和出版, 1976年)
この本は、白上謙一の没後に刊行されたもので、読書を通して自己を形成することの重要性を説いています。後に『ほんの話 青春に贈る挑発的読書論』(現代教養文庫, 社会思想社, 1980年)として再刊されました。

翻訳

C.H.ウォディントン『生命の本質』 (碓井益雄共訳, 岩波書店, 1964年)
発生生物学の分野で著名なC.H.ウォディントンの著作を翻訳しました。生命現象の本質に迫る内容であり、白上謙一の専門分野への深い関心がうかがえます。
G.G.シンプソン『動物分類学の基礎』(岩波書店, 1974年)
進化生物学の大家であるG.G.シンプソンの著作を翻訳しました。動物分類学の基礎となる理論を分かりやすく解説しており、生物学の学習に役立つ一冊です。


白上謙一は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの学生を育てました。彼の講義や著作は、生物学を学ぶ学生や研究者にとって貴重な資料となっています。彼の業績は、今日の生物学研究においても重要な礎となっており、その功績は長く記憶されるでしょう。

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